2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of physical education materials that can be used in small-scale elementary schools
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17K04820
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Research Institution | Obihiro Ohtani Junior College |
Principal Investigator |
高瀬 淳也 帯広大谷短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (60780418)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小規模小学校 / 体育 / へき地教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,①調査対象を北海道全域に広げた小規模小学校の実態調査,②ネット型教材の開発及び検証を中心に行ってきた。 ①の北海道全域で行った小規模小学校の実態調査では,北海道へき地複式研究連盟に所属する小学校の複式学級5,6年生と,都市圏にある全学級が12~18学級の小学校の5,6年生を対象に,運動有能感,体育授業の好嫌等の比較を行った。その結果,運動有能感の下位因子である「身体的有能さの認知」では,男女とも複式学級の児童の方が有意に高い値を示した。また,体育の領域ごとの好嫌を見ると,水泳や表現領域を好きと答える児童の割合は複式学級の方が有意に高く,ボール運動領域では差が見られなかった。この調査結果を報告書にまとめ,北海道へき地複式研究連盟に所属する小学校に配布した。 ②では,高学年への円滑な接続を目指し,中学年複式学級におけるネット型の教材開発を行った。意図的なセットによる攻撃の実現を中心的な学習課題に設定し,転がしバレーボールの教材化を行った。実践の結果,3人で学年が混在するチーム編成でも,各学年の指導目標を明確に設定し,チームで目指す連携プレイとして指導することで,学年相応の学習効果が確認できた。また,個の指導の充実を目指し,一人一個のボールを使用するなど少人数の良さをいかした指導を行い,技能の向上が確認できた。しかし,新型コロナウイルスの影響で,単元の途中で授業を終えることとなり,児童の単元を通した感想や評価等,情報不足が生じ,十分な検討ができなかった。 なお,本研究を進めるにあたり,小規模の保育所・幼稚園,中学校にも,少人数の活動の制限等の課題があることが分かった。そこで,本研究で得られた知見をもとに,小規模中学校における実践研究に取り組み,生徒の「どのような感じで動いていたか」という内在感覚に着目することによって,個別指導を充実させる有効な情報が得られることが示唆された。
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Research Products
(6 results)