2019 Fiscal Year Research-status Report
民俗芸能に内在するコミュニケーションの特質を援用した音楽授業実践モデルの構築
Project/Area Number |
17K04824
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
石塚 真子 大阪体育大学, 教育学部, 教授 (70348431)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 音楽教育 / 民俗芸能 / コミュニケーション / 太鼓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、民俗芸能を成り立たせているコミュニケーションの輻輳作用に着目し、その特質を音楽教育の実践に援用して授業モデルを構築し、音楽教育の新たな方向性を提示することを目的としている。 今年度は、3年間行ってきた「水口曳山囃子」「神着木遣太鼓」「エイサー」「秩父屋台囃子」「八丈島の太鼓」のフィールドワークで蓄積してきた各内在するコミュニケーションの特質について、①「音と人」②「音と音」③「人と人」に内在する「囃す/囃される」関係性を視点として理論的な整理を行なった。また、学校現場へのフィールドワークを行い、民俗芸能を教育実践に活かしている教員の授業実践の参観、学校での民俗芸能の学習がきっかけで芸能を学び続けている方々へ聴き取り調査を行った。それらの調査からは、一過性のとり組みで終わるような民俗芸能の授業実践ではなく、長い時間をかけた持続可能性のある学びにつながるような学習材と学習方法のあり方、すなわち生涯学習の視点に立った民俗芸能の授業モデルの構築が必要であることがわかった。この生涯学習の視点に立った民俗芸能の教材化の方向性については、学会で発表、研究ノートにまとめて執筆した。 さらに、芸能の特質を音楽教育実践に援用して学校現場とリンクさせ、子どもたちの主体性と多様性を前提とする多方向性コミュニケーションを基礎に置く用いた新たな授業モデルを構築し、その実践を行った。学校現場での実践については、小学校、中学校で予定していたが、新型コロナウィルスの影響で中学校での実践を行うことができなかったので、小学校で実践と、これまで蓄積した研究成果をふまえ、中学校での音楽授業実践を行うことができなかったが、フィールドワーク、教育実践に関する研究、研究発表をバランスよく行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、民俗芸能を成り立たせているコミュニケーションのあり方を明らかにするために、現地における調査を中心に行うものである。現地調査においては、保存会の太鼓練習会や講習会への参加、実際の祭りに参加することで、祭りや民俗芸能に内在するコミュニケーションの輻輳作用について、より踏み込んだ研究調査を行うことができ、当初の計画以上に研究を進展することができた。 さらに、現地調査と並行して、民俗芸能を取り組んでいる教員の授業実践の参観、民俗芸能の場に外部から入り継続的に芸能を学び続けている方々に取材を行い、生涯学習へと続く授業実践を見据えた民俗芸能の学習材と学習方法の開発に向けての研究を進めた。作成した授業モデルは、まずは、大学生を対象とした授業実践において取り組んだ。そこでの課題を改善し、小学校での授業実践を行なった。しかしながら、新型コロナウィルスの影響で、予定していた中学校での実践を行うことができなかった。中学校での授業モデルの検証はできなかったが、これまで蓄積した研究成果を基に、民俗芸能の音楽授業実践の理念と方法について学会等で発表した。さらに、教材テキスト「民俗芸能の授業づくり(題)」の作成を行なったが、中学校での授業実践について執筆することができなかったので、研究を1年延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、延期している中学校での実践を行い、教材テキスト「民俗芸能の授業づくり(仮題)」の完成を目指す。ただし、新型コロナウィルスの影響で、中学校での授業実践を行えない可能性も視野に入れ、予定中学校の音楽専科の教員に実践を行なっていただくことや、大学での授業実践で検証するなど、方策を検討したい。 さらに、本研究の研究成果については、学会発表行い研究論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの関係で、研究の集大成ともいえる授業実践モデルを中学校で実践・検証することができなかったので、研究を1年延長した。残金は、主に教材テキスト作成費用として使用する。
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Research Products
(2 results)