2017 Fiscal Year Research-status Report
「実生活や各教科等の学習に機能する読解力」育成カリキュラム及び教材の開発
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17K04833
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
水戸部 修治 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80431633)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 読解力育成 / カリキュラム / 国語科教育 / 各教科等の学習 / 読書活動 / 教材開発 / ベルリンの読解力向上 / 言語活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国語科を基盤として各教科等の学習において機能する読解力の育成に向け、カリキュラムと教材の開発を目指すものである。 平成29年度においては、各教科等の学習に機能する読解力育成に関して先進的な取組を行っているベルリン・ブランデンブルグ州立学校・メディア研究所において聞き取り調査を行った。その結果、ベルリン市においては学習指導要領の改訂の際、各教科の教育課程に加えて、各教科で育成する読解力とメディアリテラシーに関する教育課程を作成したとの情報を得ることができた。またその具体的な内容も入手することができた。この教育課程は我が国の教育課程の改善にも大きく資する可能性を有するものと考える。さらにベルリン市内の基礎学校Johann Peter-Hebel-Grundschuleにおける実地調査では、児童が課題解決に向けて取り組むとともにその成果をファイリングして蓄積し、以後の学習でも活用しやすくするなど実際的な取組の工夫を多彩に行っていることを明らかにすることができた。 次に、読解力育成のための教材開発に向けて、小学校国語科の優れた実践を行っている教師によって組織したワーキンググループにおいて、参考となる教材の収集やそれらを用いた授業実践事例の収集を行っている。実践を積んだ教師からの意見聴取により、多忙化や教員の年齢構成の偏りなど、現在の小学校教育の実情を細かく把握することができている。教材開発に当たっては、一律に教材文や本などを取り上げるのではなく、こうした実情を踏まえることが極めて重要であることが分かってきた。 さらに、子供の読書活動推進や地域性を生かした取り組みを積極的に行っている公立図書館についてその取組の特色や課題について調査を行った。今後、小学校国語科における読解力向上の取組と連携を図る上で貴重な資料を集積することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベルリン・ブランデンブルグ州立学校・メディア研究所への訪問調査では、各教科で取り組む読解力とメディアリテラシー育成のための教育課程に関する情報を得ることができた。また国内の公立図書館における読書力向上につながる取組の状況についても資料を集積できている。更にワーキンググループによる検討を継続的に行い、カリキュラムと教材開発を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は大きな課題として、入手したベルリン市の読解力及びメディアリテラシー育成のための教育課程についての分析を行う必要がある。 また今後も継続してワーキンググループにより実践事例を集積し、カリキュラムと教材開発を進めていく必要がある。 更に、特色ある取組を行っている公立図書館についても情報収集し、その状況を調査する必要がある。
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Causes of Carryover |
調査に係る旅費が見込みより安価であったため、翌年度の調査に回している。
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