2019 Fiscal Year Research-status Report
「実生活や各教科等の学習に機能する読解力」育成カリキュラム及び教材の開発
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17K04833
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
水戸部 修治 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80431633)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 読解力育成 / カリキュラム / 国語科 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、ベルリン市における言語教育の特徴及び基礎学校での学習指導の状況把握と分析 基礎学校における具体的な学習指導の状況を把握した。LISUMの研究担当者から詳細な状況を聞き取るとともに、ベルリン市内の教育センターを対象に、言語教育に関する授業の実施状況把握と分析、学校関係者等からの聞き取り(授業実践上の工夫点の把握)、及び読解力向上のための学校の教育計画に関する資料収集とその分析を行った。その結果、各教科における言語能力の育成とメディアリテラシーに関して、より詳細な内容を把握することができた。また学習指導要領には次のような内容が示されており、学校教育でも活用されていることが明らかになった。例えば第1章では、言語行為能力構築に関する能力の構造が図解されている。その構造図には、言語行為能力の構成要素として交流、対話(Interaktion)、受容(Rezeption)、聴解(Hörverstehen)、読解(Leseverstehen)、話すことへの意識(Sprach bewusstheit)などが挙げられていることが分かった。 2、読解力育成カリキュラムと国語科「読むこと」の教材開発 小学校学習指導要領・国語は2学年のまとまりで目標や内容が示されているため、開発は低・中・高学年の3段階に分けて行った。特に低学年(第1学年)の授業分析による、幼児教育との関連性の明確化を図るとともに、課題解決過程と言語活動を明確に位置付けた、読解力育成のための教材の試案作成と各教科等との関連を図った読解力向上のための年間指導計画試案作成に向けた検討を行った。その結果、特に小学校第1学年の授業分析を通じて、幼児教育における言葉の育ちを促進するための視点となる環境構成の工夫を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベルリン・ブランデンブルグ州立学校・メディア研究所への訪問調査では、各教科で取り組む読解力とメディアリテラシー育成のための教育課程に関する情報を得ることができた。また国内の小学校国語科における授業改善につながる取組の状況についても資料を集積できている。更にワーキンググループによる検討を継続的に行い、カリキュラムと教材開発を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、これまでに集積したデータを整理し、カリキュラムの改善と教材開発に資するよう整理していく必要がある。その際、指導の具体的な方法を示すのみならず、指導のねらいを踏まえて、子供の実態に応じてどのように授業構想していくのかといった、授業を構想していくプロセスなどと併せて発信できるようにしていく必要がある。
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Causes of Carryover |
2020年2月以降、ワーキンググループを十分開催できなかった。そのため、次年度使用額が生じている。2019年度の調査研究において、新たなデータが多く得られたためその整理分析により、更に知見を得られると判断し、ワーキンググループを開催する予定である。
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Research Products
(2 results)