2020 Fiscal Year Research-status Report
「実生活や各教科等の学習に機能する読解力」育成カリキュラム及び教材の開発
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17K04833
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
水戸部 修治 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80431633)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 読解力 / 読むこと / 言語活動 / 学習評価 / 主体的に学習に取り組む態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
読解力育成カリキュラムと国語科「読むこと」の教材開発に関して、特に学習評価の在り方を具体化する作業を進めた。 令和2年度から全面実施されている小学校学習指導要領・国語の学習評価については、他教科同様新3観点による観点別学習状況の評価を行うこととされている。評価の実施に当たっては、優れた評価の具体例が望まれているところである。こうした状況を踏まえつつ、「読むこと」の領域で開発した単元を元に、具体的にどのように評価を行うのかを精査した上で、評価の具体例として示すことができるよう検討を進めた。 その結果、「目標に準拠した評価」を進める上で、まず「目標」の吟味が極めて重要になること、その際当該単元で取り上げて指導する「読むこと」の指導事項及び〔知識及び技能〕の事項の趣旨を国語科の枠内のみで考えるのではなく「実生活や各教科等の学習に機能する読解力」という視点で把握することが重要であることを明らかにした。例えば低学年の指導事項「文章の中の重要な語や文を考えて選び出すこと。」は単に教科書の中の教師が指示する語や文を指摘できることを意味するのではなく、児童自身が何らかの目的に照らして重要になると考えられる語や文を、図鑑などの中から選び出すといった、より汎用的な資質・能力であると捉えて指導することが、読解力向上に大きく貢献する。また評価を進めるに当たっては、言語活動を通して指導し、その結果得られた児童の姿を評価することとなるため、言語活動の吟味が非常に重要なものとなる。その際、言語活動を教師自身が行ってみるなど、丁寧な教材研究が重要になることを明らかにした。さらに、「主体的に学習に取り組む態度」の評価に当たっては、その前提として、児童が主体的に学習に取り組めるような指導の手立てが重要になることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症予防のため、ワーキンググループによる十分な検討はできなかったものの、これまでに収集できた学習指導案等のデータを活用し、学習評価の具体例をモデル例示することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
更に学習評価についての検討を重ねるとともに、特に「読むこと」における「共有」に重点を置いて精査していくこととする。
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Causes of Carryover |
ワーキンググループによる検討を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症予防のため、オンライン開催等に変更したことから次年度使用額が生じた。 感染症の状況を見ながら、ワーキンググループでの検討を進める予定である。
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