2019 Fiscal Year Research-status Report
小学生の健康改善と体力向上を目指した総合的学習での教育プログラム開発
Project/Area Number |
17K04834
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
神林 勲 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70214731)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 総合学習 / 学習プログラム / 体力・運動能力 / 自律神経系活動 / 起床時体温 / 生活習慣 / 立位姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は,約400名前後の児童を対象に,起床時体温,生活習慣調査および自律神経系活動測定を実施し,教育プログラム開発のための基礎的データを蓄積する予定であった.また,これまでの教育現場の児童の実態から,児童の立位姿勢と体力・運動能力に関連性が示唆されたため,教育プログラムの中にそのエビデンスを加える必要から,画像撮影から得られた立位姿勢の良悪と体力・運動能力の関連を検討した.起床時体温,生活習慣調査および自律神経系活動測定については,研究協力校の新型コロナウィルス感染拡大に伴う休校措置の等の影響から,3・4年生の約150名のみ測定に留まった.なお,自律神経系活動については4年生は登校時の1日1回であったが,3年生は登校時と昼休みの1日2回の測定を行うことができた.データの解析については,学生の大学内への入校禁止措置などに伴い進んでおらず,現在も分析を進めている.立位姿勢の画像測定については,研究協力校に加えて他の2校の小学校の協力を得ることができ,5年生219名について行った.そして,立位姿勢をケンダルの分類法に従い分類し,また,画像解析ソフト(Image J)により重心線-ランドマーク距離(Distance with a center of gravity line and the landmark,以下DCL)を算出し,新体力テストとの関連について検討した.その結果,良姿勢と言われる理想型・軍人型のグループは体力総得点が高く,男子についてDCLと測定項目との間に有意な相関関係が認められた.このことから,立位姿勢と体力・運動能力には関連性があり,学習プログラムにそのエビデンスを加えることができると判断できた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大に伴う休校措置の等の影響から,研究協力校に赴くことができず,また,学生を研究補助してデータ入力などに従事させることができないため,自律神経系活動の測定や生活習慣調査が予定していた測定数に達していない.令和2年度も研究活動として研究協力校の赴くことができない可能性があるため,測定数を減じて分析を行う必要があるかもしれない.
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染拡大に伴う研究協力校の休校措置の等の影響から,予定していた測定数に達しない可能性がある.しかしながら,令和元年度に立位姿勢と体力・運動能力についての新たな知見を得ることができたので,それらのエビデンスを学習プログラムに加えることで,より児童に対して体力向上と健康改善を目指した学習プログラムを作成することが可能であると考えられる.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大に伴う研究協力校の休校措置の等の影響か研究が予定通りに進まなかったこと,また,同理由による出張取りやめによって次年度使用額が生じた.この残額は令和2年度についてデータ分析による謝金や学会出張などに利用する予定である.
|