2017 Fiscal Year Research-status Report
養成と学校現場をつなぐ、初任者養護教諭のための研修カリキュラムの構築
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17K04851
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河田 史宝 金沢大学, 学校教育系, 教授 (10451668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 養護教諭特別別科 / 学校における救急処置活動 / 自信度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015から2017年度の養護教諭特別別科入学生(93名)を対象に、入学時の救急処置に対する自信度を調査した。無記入1名を除外し分析をした。その結果、自信があまりないと回答したものは53名(57.6%)、自信がないと回答したものは32名(32.8%)、自信が少しある6名(6.5%)、自信がある1名(1.1%)であった。本学の入学資格には、看護師免許状取得あるいは看護師国家試験受験資格のあるものとされており、看護学を学んで入学した学生ではある。看護学が基盤になってはいるが、入学した学生の約9割が救急処置に自信がないと回答した。自信がないと回答したものの理由では、「救急処置技術が身についていない」「知識や経験がない」「重症の救急処置が分からない」「一人での判断と適切な処置が分からない」「救急処置場面のイメージがわかない」という理由が多くあげられた。また、自信があまりないと回答したものでは、「医療行為と養護教諭のできる処置の区切りが分からない」「病院と学校との違いが分からない」「救急処置の経験がない」など、看護現場と学校現場の違いに戸惑う理由があげられていた。具体的には「何でもそろっている場所にいて、チームの中で動いていたので必要物品はすぐ近くにあり、役割分担をして担当部分を担う状態と全然違う状況に戸惑う」と書かれたものもあった。自信が少しあると回答したもののなかには、一次救命に対する知識や技術はあるが、骨折や包帯法、止血法の技術には自信がないと記載したものもいた。 このような結果から、養護教諭特別別科においては、医療現場と異なる学校現場における救急処置活動に対して具体的な学びを構築していく必要性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
修了生を対象にインタビュー調査(半構造化)を2月に実施する予定であった。しかし、例年になく豪雪にみまわれたため、天候の悪化による公共交通機関の運休や高速道路、国道の通行止め等が発生し、調査予定日に調査をおこなうことができなかった。年度内に日程変更を試みたが、調整ができずにインタビュー調査予定の15名全員のインタビューが完了していない。 そのため、「(3)やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、遅れているインタビュー調査を6月下旬から7月に設定した。養護教諭は、4月から6月まで定期健康診断等で時間を取ることが難しい。そのため、調査による負担をかけないようにこの時期に設定したものである。インタビュー調査を終えたものから順次文字起こしを行い、分析を行う。分析結果等を基に、予定していた学会発表に結びつける。 その後は予定通り、夏休み~10月に初任者研修内容、順序性、系統性を研究協力者と協議し試案を作成する。その試案に対する評価を得る。 これにより当初の予定通り研究を進めることができると考える。
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Causes of Carryover |
豪雪による交通機関の運休、高速道路の通行止めの影響により、調査予定日にインタビュー調査ができなかった。そのため、インタビュー実施予定対象者の旅費・謝金金額と、テープ起こしの人件費等が次年度使用分となった。 発生した次年度使用金額は、2018年度6月下旬から7月にかけてインタビュー調査を行うため、この予算をあてる。
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