2021 Fiscal Year Research-status Report
養成と学校現場をつなぐ、初任者養護教諭のための研修カリキュラムの構築
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17K04851
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河田 史宝 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (10451668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 研修内容の検討 / 不安や悩み / 研修時期 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年2月に行った養護教諭特別別科の調査結果を日本学校保健学会第67回学術集会(Web)で発表を行った。その際、病院勤務経験の有無により、その違いはなかったのかという質問を得た。発表を行った調査では、病院勤務経験の有無については調査をしていなかったため、調査項目に追加することとした。 2022年2月に、養護教諭特別別科の学生に2021年度調査内容(学校に着任し、働き始めた際どんなことに不安を感じそうか)に加えて、病院勤務経験の有無を追加した調査を行った。調査項目は、入職後1年から3年の養護教諭を対象に行った研修会で出されていた不安や悩み16項目を使用した。その結果、病院勤務経験のある学生は5名、病院勤務経験のなかった学生は25名であり、差が大きいため全体的に分析をした。選択項目の多い学生では16項目すべての項目を選択しており、少ない学生で3項目であった。項目の中では、「救急処置(外科的なもの)」が86.7%と最も多く、次いで「保護者対応」83.3%、「健康診断運営」70.0%であった。救急処置(外科的なもの)は、昨年度も93.8%と最も多く、学生にとっては不安要素の一つになっていることが分かった。入職前3月、6月、8月、10月、2月に分けて、月別に研修内容の希望をとったところ、3月が最も多く、その後2月にかけて減少していた。学生が不安に感じている「救急処置(外科的なもの)」は、養護教諭に求められている専門性につながる分野であり、実践力につながる内容だと考えられた。一人職として勤務する初任者に必要な研修カリキュラムが必要と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本学校保健学会(Web)において、調査結果を報告することができた。「参考になったという意見」「看護師免許状を持っている学生でも「救急処置(外科的なもの)」に不安を感じていることが分かった」という参加者からの反応を得た。また、「病院勤務経験の有無」という視点の質問もあり、2022年2月の調査に役立てることができた。前年度の結果と比較することができ、おおむね同様の傾向がみられた。このことを活用して研修を行う時期と内容も検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研修を行う時期と内容を時系列に整理し、入職1年目の研修内容を検討し、その結果を発表する。
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Causes of Carryover |
現地開催予定の学術集会への参加を考えていたところ、新型コロナ感染者の増加に伴いWeb開催となったため残金が生じた。 今年度は学会のWeb開催を勘案し、学会参加を検討する。
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