2017 Fiscal Year Research-status Report
21世紀型能力に基づく芸術教科のカリキュラム構築に関する研究
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17K04854
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松永 洋介 岐阜大学, 教育学部, 教授 (90324277)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 経験主義 / 学力観 / 国際バカロレア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究計画は次の3点であった。 (1)IBプログラム実施校の見学。一条校と認定校の2つのカテゴリーで学校見学を計画した。その結果、東京学芸大学附属大泉小学校(東京)と大阪教育大学附属池田中学校(大阪)の2校を訪問することができた。当初予定していた学校は音楽の授業を行っていないとのことで、訪問先を千里国際学園(大阪)に変更を計画した。現在その連絡待ちがである。しかし、IBプログラムと類似した学力観を持つ関大初等部(大阪)での授業観察を行い、IBで求められる「探究」に関する情報を収集した。一方、認定校としてインターナショナルスクールを計画したが、先方との予定が合わず2年目に延期した。 (2)IB関係の資料の収集。資料には一般に書籍として刊行されたものと、各学校が持っている内部資料とがある。国内で刊行されている書籍についてはほぼ収集し分析を進めているが、海外の書籍については毎年新しい書籍が刊行され、内容もアップデートされているため、最新の情報が必要である。内部資料としては(1)であげた学校の資料を入手することができた。また、IBの創立者の一人であるA.ピーターソンの著書を入手し、分析に取りかかっている。 (3)IBの授業と21世紀型能力との対応関係の検討。(1)と(2)から、現在の日本におけるIBプログラムにおける学力観を分析し、日本音楽教育学会第48回大会(愛知教育大学、H29.10.22)において「国際バカロレア芸術分野における経験主義」というテーマで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「やや遅れている」と判断したのは、当初計画した学校訪問が予定通り進んでいないからである。理由は2つである。一つめは学校訪問の日程調整がなかなか折り合わなかったためである。特にインターナショナルスクールは夏休みが早いため、申請者の授業の予定となかなか合わせにくかったことによる。二つめは、近年国際バカロレアが新聞などに取り上げられることによって関心が高まり、これまで参観に好意的であった学校から参観を断られたり、先方との連絡がなかなか取れないなど、予期しないことがあり、訪問校を変更する必要が出てきたからである。このことにより、国際バカロレア実施校における芸術教育の意義についての見解をまとめ、分析する作業がやや遅れ気味となっている。しかし、内容的には訪問校を変更しても研究の継続は可能であるため、2年目はさらに充実させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2年次は国際バカロレアにおける芸術教育の位置づけ、特に音楽分野の位置づけについて明確にし、授業試案を計画する時期である。そのため、まず、IB実施校の見学を引き続いて行う、これは一条校と認定校であるインターナショナルスクールの両方を対象とする今回は特に、PYPからDPまですべてのプログラムを実施している学校を対象とする。そのことにより系統性についても調査したい。次に、IB機構の訪問を行う。現在のところ、IB機構の本部はジュネーブにおかれているが、事務局は英国ウェールズのカーディフにおかれている。これらの場所を訪問することによって、IBにおける芸術教育のありかた、特に音楽教育の位置づけについて意見を交換すると同時に、授業見学を行う。さらに、3年次に実施するIBの理念を取り入れた音楽の授業について、実際に実践するための単元計画、教材選定等について検討を開始する。これについては附属中学校をフィールドに行うことを交渉中である。
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Research Products
(1 results)