2019 Fiscal Year Research-status Report
21世紀型能力に基づく芸術教科のカリキュラム構築に関する研究
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17K04854
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松永 洋介 岐阜大学, 教育学部, 教授 (90324277)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際バカロレア / MYP / 音楽 / 授業構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際バカロレアの芸術分野について、特に中等教育課程(MYP)を中心に研究をすすめた。芸術分野は音楽のほかに、ダンス、視覚芸術(美術)、演劇、写真等からなり、特に今期は聴覚を通した音楽としての特質を、ダンスとの比較して明らかにした。 現在のところ、芸術分野における音楽科の特質として、(1)音楽の場合は、具体的な映像イメージがないため、そのイメージを醸成するのは、その人がこれまでに経験してきたことが基盤となること。(2)音楽はダンス、ドラマ・演劇・映画と結びつくことによって、聴衆の心に深く印象を与える。さらにBGMやCMなど、人の心に働きかけて何らかの行動を誘発する。以上のように音を通して人の心に働きかけ、それぞれのイメージを醸成していく、という2点を明らかにした。 これらを含めた研究成果は、日本音楽教育学会と、日本国際バカロレア教育学会において発表した。(1)「MYPにおける音楽授業の評価についての一考察」(第3回日本国際バカロレア教育学会全国大会)2018年9月8日、(2)「国際バカロレア芸術(音楽)における授業構成の原理―「計画」「授業」「評価」の3つのカリキュラムに焦点を当てて―」(第49回日本音楽教育学会)2018年10月7日、(3)「国際バカロレアにおける芸術分野(音楽)の意義」(第4回日本国際バカロレア教育学会全国大会)2018年9月1日、(4)「国際バカロレア(芸術・音楽)における学習指導案の思想ーユニットプランナーの分析からー」(第50回日本音楽教育学会)2019年10月15日。また、論文として、「国際バカロレアにおける芸術科の特質―中等教育課程(MYP)における音楽とダンスとの比較を中心に―」(岐阜大学教育学部研究報告第68巻1号)にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は国際バカロレア本部(ジュネーブ)と事務局(カーディフ)へ赴き、芸術分野特に音楽の教育上の意義と実施状況等について関係者からインタビューするとともに、実際の授業の様子を見学する予定であった。 しかし、上記2か所以外に国際バカロレアのカリキュラムの作成拠点はハーグ(オランダ)にあるということが、日本国際バカロレア教育学会会長のディクソン・キャロル氏よりもたらされ、実施計画の再考を迫られた。ちょうどクリスマス休暇に当たったことと、現地校見学の日程調整とで当初の経過を次年度に繰り延べているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
予定では6月にジュネーブとハーグへ訪問する予定であった。しかし新型コロナウイルスの影響で、現在出国・入国ともに停止措置が取られ、足踏みしている状況である。 すでに欧州内では移動の自由が始まっているので、日本との行き来ができるようになれば早急に予定を調整して訪欧する予定である。 ただし今後の状況によっては年度内に訪欧できない可能性もあり、その際には当初の計画を縮小してメールもしくはスカイプなどの方法でインタビューすることに限定し、学校訪問は棚上げせざるを得ないと考えている。
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Causes of Carryover |
国際バカロレア機構本部とカリキュラム部門訪問のための旅費を確保する必要があり、その分を次年度に繰り越す必要があったため。
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Research Products
(3 results)