2018 Fiscal Year Research-status Report
教師の「熟練性」のライフヒストリー的研究ー目標構造の多層化の契機とそのプロセスー
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17K04857
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| Research Institution | Mie University |
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Principal Investigator |
森脇 健夫 三重大学, 教育学部, 教授 (20174469)
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2017-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 初任期教師 / 熟練教師 / 目標構造の多層化 / 多層化の契機としての「できごと」 / ライフヒストリーインタビュー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2017年度、本研究では、初任期教師の授業参観、記録、インタビューを行い、初任期教師に共通に見られる課題とその支援ツールを提案した。それに引き続き、2018年度においては、熟練教師（経験年数20年を超え、かつ周囲もそれと認める教師）の事例研究を行った。
事例研究においては、二人の全く属性の異なる教師（小学校教師と大学教師）を取り上げ、熟練性（共通点）を明らかにした。前年度、取り上げた初任期教師との違いは、これまでの先行研究が明らかにしてきた思考様式の違い、①即興的思考、②状況的思考、③多元的思考、④文脈的思考（佐藤学 他1991）とは違うアスペクト、目標構造の多層性の違いという観点からも説明できる。すなわち、初任期教師においては、目標構造が単層的であるのに対し、熟練教師の場合目標構造が多層的であり、（授業の目標、教科の目標、人間教育としての目標の少なくとも3層構造）、授業をする際もその目標構造が有効に機能していることが明らかになった。
この研究の経緯については、2018年度中部教育学会において報告し、次の論文にまとめることができた。康鳳麗、森脇健夫他5名「熟練教師の目標概念の多層化― 二つの事例研究をとおして ―」（鈴鹿医療科学大学紀要No.25, 2018）
今後の課題として、目標構造の多層化の契機を雷雨ヒストリーインタビューによって明らかにすること、事例研究をさらに重ねることによって契機と目標構造の多層化の関係（因果関係）をモデル化し、仮説をつくりたい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度 初任期教師研究から、2018年度は熟練教師の事例研究へと研究を進めることができた。また両者の比較対照を通じて、研究課題である「目標構造の多層化」に迫ることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
2019年度においては、事例研究をさらに積み重ね、目標構造の多層化＝熟練性、の仮説を確固たるものにするとともに、ライフヒストリーインタビューを行い、その契機となった「できごと」との因果関係を明らかにすることが課題である。
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| Causes of Carryover |
参加、報告をしようと考えていた日本教師教育学会への出張がやむを得ない事情でとりやめざるを得なかったこと、またインク代等が予定より少なく抑えられたことが、次年度使用額が生じた理由である。
今年度は、日本教師教育学会において報告する予定で、そのための旅費等で使用する予定である。また、プリンターのインク等、購入の予定がある。
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