2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of peace education
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17K04871
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| Research Institution | Fukuoka University of Education |
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Principal Investigator |
寺岡 聖豪 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80253368)
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2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 戦争 / 原爆 / ミュージアム / 公害 / 負の記憶 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「平和教育の再構築を目的とした平和教育教材を開発する」ことである。
戦争体験の風化はこれまで繰り返し指摘されてきた。しかし，戦争体験を証言する語り手の多くが鬼籍に入る現在，その風化すら話題に上らなくなってしまっているように思われる。その意味では，戦争体験の継承は喫緊の教育課題である。
そこで，平成29年度には（1）中学校社会科歴史的分野の教科書において，原爆問題がどのように取りあげられているかを検討した。その結果，2000年代に入ると，戦争体験者や被爆者が身近にいなくなったため，戦争体験や被爆体験を聞く学習活動が教科書に掲載されるようになったことを確認した。また，平成27（2015）年現在，歴史教科書は8社より刊行されているが，教科書会社によってその記述内容に違いがみられることが浮かび上がった（原爆被害に関する写真が異なること，放射線・放射能に関する言及の有無，原爆を投下した目的に関する説明の相違など）。続いて，平成30年度には（2）広島・長崎・沖縄を中心に取り組まれてきた平和教育の現状と課題を考察するとともに，各地の新しい取り組みを調査した。その結果，体験者だけでなく，非体験者が語り部として，被爆の実相や沖縄戦の実相を伝えていることを確認した。また，広島平和記念資料館が戦争や被爆体験を継承するために，「フォーラムとしてのミュージアム」という役割を果たすことを確認した。
平成31年度には（3）「そもそもミュージアムとはどのようなメディアか」を起点にして，北九州市環境ミュージアムを対象として，ミュージアムがどのように公害を伝えているかを考察した。その結果，戦争や公害などの「負の記憶」をテーマにしたミュージアムでは過ぎ去った歴史上の出来事ではなく，来館者が「当事者」として学ぶことができるような展示が欠かせないことを確認した。
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