2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K04875
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
関 朋昭 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (20321367)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 部活動 / 知識基盤社会 / 運動部優位説 / チームで働く力 / 教員負担 / 負担の概念化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体構想は、学校教育の質的転換への期待が高まる中、これからの学校教育における部活動(運動部活動と文化部活動の両方を含む)の可能性を探究し、従来の部活動の存在意義を改めて問い直しながら、知識基盤社会に求められる新たな部活動を創造することである。今年度は以下の二点についての研究実績を残した. 一点目.部活動が生徒たちの成長に寄与するという,まことしなやかな話がある。その真贋を検証することは研究的な意義がある。部活動に関する先行研究では①運動部と文化部には違いがあること,②運動部は文化部よりもポジティブな影響があること,の大きく二点にまとめることができる。本研究では次の三点を明らかにした。①わが国の高校教育は「チームで働く力」を本当に育ませていたこと,②「運動部優位説」は支持された。しかしながら「無所属」との違いは無かった,③「チームで働く力」に関しては,学業と部活動の「両立/非両立」は関係性がないこと,である。「無所属」の社会人基礎力の高さを新たに見つけることができた 二点目.教員の労働時間が諸外国の中でも顕著に長くなり,特に学校部活動(以下、部活動と略記)に多くの時間が割かれていることが明らかになってきた.そのため部活動はブラック部活と揶揄され,教員負担が加重となってきている.つまり部活動は,教員の労働意欲を削ぐ教育活動として問題視されている.しかしながら一方で,放課後や休日の拘束時間が長くなるにも関わらず,部活動へ積極的に参画し,自己の動機を満足させている「部活が命」「部活にやりがい」の教員がいることも事実である.今年度は,この大きな違いについて「負担の概念化」を試みながら理論的な枠組みを呈示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学校と知識基盤社会を「つなぐ」という関係性における概念形成の研究は遅延している.その原因は,当初予定していた研究方法では妥当性のある結果が得られにくいことが判明した.それを回避するため,現在は違った研究アプローチから検討している段階であるが,見通しが立ったので,次年度の早い段階でまとめる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究結果を基にしながら、知識基盤社会が求める学校教育を明らかにしながら、部活動の役割や機能を再整理する予定である。
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Research Products
(5 results)