2017 Fiscal Year Research-status Report
安全学習の総合的研究-判決書教材活用によるプログラム化と授業開発-
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17K04877
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
新福 悦郎 石巻専修大学, 人間学部, 教授 (20734122)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学校安全 / 安全学習 / 判決書教材開発 / 先行研究調査 / ネットでの紹介 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,児童生徒等の安全確保の保障を目指し、生きる力を育てる安全学習を充実するための教材及び授業プログラムの開発を目的とする。 具体的には,児童生徒の安全を奪う学校災害として、学校の教育活動にともなう日常的な学校事故、いじめ問題、体罰その他の暴力の問題、震災・津波災害、熱中症や給食アレルギー事故、部活動の事故などを研究対象としてとらえ、これまでに起こった学校災害の事例としての判決書からの教材化と安全学習としての総合的なプログラム化と授業開発を計画している。 平成29年度は次のように研究を進め、研究の成果が見られた。 (1)安全教育における安全学習の理論や実践に関わる文献を調査した。先行研究と理論化の一部については日本教育実践学会(11月京都)において発表し、意見を参考にしながら安全学習の理論化の深化を図った。本研究において安全学習の構成要素と考える学校事故、いじめ問題、体罰その他の暴力の問題、震災・津波災害、熱中症や給食アレルギー事故、部活動の事故などに関わる文献を収集し,事例にもとづいた安全学習の理論について検討した。 (2)安全学習に対応した事例としての判決書を調査収集し、児童生徒の発達段階に対応した判決書教材を開発した。安全学習に関わる民事裁判の判決書を調査収集し、判決書によって学ぶべき教師用の安全指導に関する内容については、ネットのMMマガジン(小学校)において紹介した。研究協力者の蜂須賀洋一は、安全学習として適切な教材を発達段階を考慮して開発し、授業実践を行い検討した。また、上記の学会において、開発した判決書教材について報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、「(1)安全教育における安全学習の理論・実践の先行研究の調査、(2)安全学習に活用できる事例としての判決書の教材化と開発」を主な研究計画としていたが、(1)については概ね達成することができた。(2)については、判決書教材にすべき判例の選定についてはほぼ達成できたが、教材化と開発については一部にとどまっている。 しかし、平成30年度以降に計画していた「(3)判決書教材を活用した安全学習の総合的なプログラム化と(4)それに対応する授業開発」については、研究協力者の協力を得て、一部具体的に授業実践を通して、検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については、本研究の計画段階としている「(2)安全学習に活用できる事例としての判決書の教材化と開発、(3)判決書教材を活用した安全学習の総合的なプログラム化、(4)(3)に対応する授業開発」に取り組んでいく。 特に(2)については、安全学習に関わる民事裁判の判決書を調査収集し、児童生徒の安全学習として適切な教材を発達段階を考慮して開発し、検討する。教育系学会において、開発検討した事例による安全学習の判決書教材について報告する。 (3)(4)については、研究会を実施し、総合的なプログラム開発について検討する。また、学会発表などでの報告を通して、開発教材やプログラムの見直しを図り、精度を向上させ、理論を改善する。事例として開発した判決書教材を活用した安全学習の授業について検討する。その際、授業内容や授業構成を検討し、授業開発を図っていく。事例による判決書教材を活用した安全学習によって児童生徒達はどのような安全についての知的学びを習得できるかを検討する。感想文記述のデータ分析と分類による学習内容の構成要素を抽出し、学会や研究会などで報告する予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画していた愛知の研究協力者が打ち合わせに参加できず、また研究代表者も愛知まで足を運ぶことができなかったために、また、予定していた鹿児島での打ち合わせについても、研究代表者の帰省中に会議を実施したために、旅費が不要となり、助成金の次年度使用額が生じた。 本年度は、研究成果の発表については、二つの学会で発表を予定しており、また研究協力者についてもいっしょに学会発表してもらう予定なので、その旅費として使用する計画である。
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