2018 Fiscal Year Research-status Report
安全学習の総合的研究-判決書教材活用によるプログラム化と授業開発-
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17K04877
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
新福 悦郎 石巻専修大学, 人間学部, 教授 (20734122)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 安全学習 / 判決書教材開発 / 判決書教材分類 / プログラム化 / 授業開発 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,児童生徒等の安全確保の保障を目指し、生きる力を育てる安全学習を充実するための教材及び授業プログラムの開発を目的とする。平成30年度は学校安全に関わる民事裁判の損害賠償請求事件の判決書を調査し、判決書教材を開発した。また、その開発した教材をもとにした授業を、3人の研究協力者が実践した。開発した教材を活用した安全学習の総合的なプログラム化と授業開発を進めることができた。具体的には次のような研究実績となった。 (1)鹿児島市において研究会を実施し、事例としての判決書教材を活用した安全学習の総合的なプログラムの開発と検討を行なった。また、総合的なプログラム開発について、蜂須賀授業実践(上越教育大学大学院)を参考にしてモデル化を検討し、修正した。 (2)日本学校教育学会や日本教育実践学会で研究協力者との協同による発表報告を通して、開発教材やプログラムの見直しを図り、精度を向上させ、理論を改善した。 (3)開発した授業案をもとにして、研究協力者である上猶覚教諭(鹿児島県霧島市立竹子小学校)が小学校におけるいじめ判決書教材を活用した授業実践を行い、小松隆教諭(宮城県東松島市立矢本第二中学校)が中学校におけるいじめ判決書教材を活用した授業実践を行なった。授業検討会を開催し、教材開発や授業開発について検討した。また、学校防災関連の判決書教材を活用して、萩原和孝(第一工業大学非常勤講師)が教員志望の学生に対して大学生を相手にした安全学習を行ない、自然災害に関する判決書教材とプログラム開発について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、「(2)安全学習に活用できる事例としての判決書の教材化と開発(3)判決書教材を活用した安全学習の総合的なプログラム化と(4)それに対応する授業開発」を主な研究計画としていたが、(2)については概ね達成することができ、具体的に一覧表に分類してまとめることができた。 また、(3)(4)についても3人の研究協力者の尽力で具体的に授業実践が進み、プログラム化と授業開発について検討することができた。研究の進捗状況はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成31年度は、当初の研究計画としてあげていた「(2)安全学習に活用できる事例としての判決書の教材化と開発」「(3)判決書教材を活用した安全学習の総合的なプログラム化」「(4)それに対応する授業開発」を重点的に研究していく。特に、それぞれの授業実践を通して収集した授業後感想文のテキストデータの分析についても行なっていきたい。そのことで、本研究が児童生徒たちにどのような安全学習に関わる資質能力を育成できるのか、その要素を抽出していくことで、明らかにしていきたい。 そして、その研究の成果を、日本学校教育学会、日本安全教育研究学会、日本教育実践学会で発表し、助言や意見を参考に、論文としてまとめていきたいと考えている。 同時に、最終的には本研究テーマに関する報告書を作成し、本研究のまとめとしたい。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、名古屋市で研究協力者を集めて研究会を開催する予定であったが、研究協力者が鹿児島県で勤務する方が多いために、鹿児島市開催に変更し実施した。そのために旅費総額が当初予定よりも減額となり、次年度使用額が生じた。
次年度は、当初予定していなかった学会発表(日本安全教育研究学会)を、蜂須賀洋一研究協力者と協同で行なうこととしたい。
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