2017 Fiscal Year Research-status Report
オーラルヒストリーに関する伝統・文化教育の効果を高めるデジタルアーカイブの研究
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17K04886
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Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
谷 里佐 岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10440554)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 伝統文化 / デジタルアーカイブ / オーラルヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
伝統・文化教材としてのオーラルヒストリーのデジタルアーカイブ化に有用な情報について、オーラルヒストリーの映像化(映像アーカイブ)に関する資料調査、幼稚園、保育園、小・中・高等学校の教員にアンケート調査(一部ヒアリング調査含む)を行った。 オーラルヒストリーの映像化に関する調査では、これまでは、話者の映像(動画・静止画)の記録とその提供の研究が中心であったが、関連資料を付加して利用することが課題とされており、伝統・文化教材においての関連資料(有用な情報)を明らかにすることの重要性が確認できた。 「白川郷和田家オーラルヒストリー」のデジタルアーカイブを実際に利用した後の調査では、その地に住む人の話(オーラルヒストリー)から、人の思い、生活の知恵などを感じ、白川郷についても、実際に訪れてたい気持ちが生じるなど、利点として受け止めていることが多いことが分かった。また、伝統・文化教材として用いるために、話者の映像(動画・静止画)のほかに必要とされる関連情報として、「子どもにとってイメージしやすい情報」(地域の風景や文化財の映像、話者の話に登場する資料の映像等)「デジタルと紙の両方の資料情報」(発達段階に応じたワークシートやプリント等)「次の活動に繋がる情報」(インターネットでの検索や体験学習等)の3つの要素に集約できると考えた。 そこで、本研究の対象とする「白川郷和田家オーラルヒストリー」について、オーラルヒストリーの関連情報として、白川郷の風景や建造物、祭り等の静止画を中心に収集、整理し、適宜、説明情報の付与を行った。その一部は、「和田家おぅらい」として、デジタル(WEBサイト)と紙(冊子)での提供を始めた。なお、「和田家おぅらい」は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC-BY(クレジット表示を条件に自由利用を認める)によりオープンデータとして提供している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オーラルヒストリーの映像化(映像アーカイブ)に関する資料調査および教員へのアンケート調査は、計画通り進められた。アンケート調査結果より、オーラルヒストリーの関連情報の充実が必要と考え、白川郷の風景や建造物、祭り等の撮影・記録と説明情報の付与を優先して進めたため、オーラルヒストリー自体の追加、改善は、少し遅れている。しかし、研究実施状況としてはおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
オーラルヒストリーの追加を行い、前年度に作製した関連情報と併せ、伝統・文化教材としての使いやすさと教育効果について検討する。その結果を踏まえ、教材として不足している情報の収集と整理を進め、「白川郷和田家オーラルヒストリー」デジタルアーカイブを作製する。また、研究の中間成果報告として、日本教育情報学会で発表を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度に実施したアンケート調査結果より、オーラルヒストリーの関連情報の充実が必要と考え、白川郷の風景や建造物、祭り等の撮影・記録と説明情報の付与を優先して進めたため、オーラルヒストリー自体の追加、改善が少し遅れている。主に、オーラルヒストリーの撮影や関係者との打ち合わせの旅費として使用する。
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Research Products
(8 results)