2018 Fiscal Year Research-status Report
協同性の育ちに着目した幼小接続における音楽教育のプログラム開発
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17K04889
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
岡林 典子 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (30331672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 正明 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (10278442)
佐野 仁美 京都橘大学, 発達教育学部, 准教授 (10531725)
坂井 康子 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (30425102)
南 夏世 神戸海星女子学院大学, 現代人間学部, 准教授 (70514248)
山野 てるひ 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (70168631)
水戸部 修治 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80431633)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 協同性 / 音楽教育 / 幼小接続 / プログラム開発 / 和楽器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どもの協同性の育ちに着目して、幼小接続期における音楽活動のプログラムを開発することである。2年目に当たる本年は、研究協力者である幼稚園(2園)と小学校において8回の実践を試みた。 新たな音楽プログラムの試みとして、和楽器を用いた活動を取り入れた。幼稚園では「①日本の楽器の音に触れる、②音から色・形のイメージを広げる」ことをねらいとして、子どもたちが日常ではあまり触れることのない和楽器(鉦・太鼓・拍子木)の音を聞いて、イメージを広げてクレヨンで描く活動を行った。その後の楽器探索では自由に音を鳴らし、互いに協同して響きを楽しむ姿が捉えられた。 続いて小学校1年生では、「お祭りのお囃子を聞いて、和楽器の音とリズムを楽しもう」という題材で、3つの目標(①お囃子を聞いて、リズムを口唱歌で表現しながら演奏を楽しむ、②日本語をリズムに置き換えて、音楽をつくる、③グループで協働しながら発表に取り組む)を設定して授業を行った。これらの活動の成果として、論文「領域『表現』と小学校音楽科をつなぐ和楽器を用いた活動の試み」を執筆した。 また、オノマトペを用いたリズム創作の過程にみられる協働的な学びを明らかにするために、小学校2年生を対象に「あ日理化の音楽を聴いて、アフリカのリズムを楽しもう・つくろう」という題材で実践を行った。この活動の成果として、論文『オノマトペを用いたリズム創作の可能性-協働性に着目して』を執筆した。 さらに、これまで行った絵本を用いた実践をまとめ、一藝社より『幼・保・小で役立つ 絵本から広がる表現教育のアイデア』を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度の研究方法を踏襲しながら、幼稚園と小学校において地域の音文化に触れる音楽活動・表現活動として、お祭りのお囃子や和楽器に触れるプログラムの開発に取り組んだ。 今年度は出版に向けた作業と所属機関での業務が忙しく、学会発表を行うことができなかった。次年度以降は意欲的に取り組みたいと思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に取り組んだ地域の音文化に触れる音楽活動・表現活動をさらに発展させ、幼小接続期の子どもの協同性・協働性に着目しながら、祇園祭りをはじめとする祭囃子や和楽器に触れるプログラムや、日本語の音楽的特徴を取り入れたプログラムの開発に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
2017年度は複数の学会において発表を行ってきたが、当該年度は出版に向けた作業と所属機関での主任業務が忙しく、学会発表を行うことができなかったため。次年度は複数の学会において成果発表を行うことを計画している。
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