2021 Fiscal Year Research-status Report
中小企業のPBL実例及びデルファイ手法にもとづくビジネスケースメソッド教材開発
Project/Area Number |
17K04894
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
大田 住吉 摂南大学, 経営学部, 教授 (60457166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 公之 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授(移行) (80736728)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中小企業 / ケースメソッド / デルファイ法 / 氷温技術 / 水産コールドチェーン / ミャンマー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.良質なビジネスケースメソッド教材の開発 ・本研究の目的は、これまで解明が困難とされてきた中小企業のケースメソッド教材について、新たにデルファイ手法を用いてその普遍性、教材適性等を学術的に解明することである。これまでの研究実績として、本研究に有効と思われる中小企業のケースメソッド5事例について、関連23先(海外含む)のヒアリング 調査、実証実験等を実施した。さらに、これまで研究代表らが蓄積した約90件の事例と上記調査事例との相乗効果による普遍性、教材適性等について学術的な観点から分析・考察した。 2.研究成果の情報公開および普及・啓発 ・これまでの研究成果をまとめ、研究論文2編、研究ノート(中間報告)2編として投稿・公開した。また、上記事例 の教材適性を分析・解明した上で、新たに8事例を厳選し、計9冊(改訂含む)の教材テキスト発刊に向けた作業を行った。このテキストは、いずれも実際の大学授業で使用 し、その教育効果について分析・考察を試みる予定である。 3.今後の研究の推進方策 ・コロナ禍の状況であるが、昨年度に引き続き、新たな中小企業のPBL(課題解決型)ケースメソッド調査と過去の調査事例の相乗効果による普遍性、教材適性等 について、さらなる分析・考察を行う。また、専門研究機関、中小企業診断士、大学教員など専門家とともに研究会を開催し、デルファイ手法による多様かつ 学術的な知見の反復・収斂を行い、ビジネスケースメソッド教材としての精度向上を図る。とくに、一昨年度に実施した海外ケースメソッド事例については、その研究成果を分析・検証するとともに、教材作成に向け、その教育効果について考察・検証する。これらの研究成果は、論文発表、学会報告等で情報公開し、普及・ 啓発に努める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.コロナ感染拡大による遅れ ・2017~2019年度は、新たに本研究に有効と思われる中小企業のケースメソッド2事例を厳選し、関連7先の企業(海外含む)、政府機関、経済団体等に対し、ヒアリング調査、実証実験等を実施した。とくに、東南アジア(ミャンマー)における海外ケースメソッド事例(水産コールドチェーン構築に関する研究)については、現地および国内の学会で研究発表を行い、現地政府、JICA、JETROなど内外の関係機関等から高い評価を頂いた。大企業とは異なる中小企業のPBL実例について、新たな知見等が研究成果として蓄積されており、本研究は概ね順調に推移していた。しかし、2020年度以降は新型コロナウィルス感染拡大の影響等により、企業等へのヒアリング訪問出張が国内・海外を問わず全面的に禁止となり、一部オンライン等に切り替えたものの、工場など現場視察はほとんど行えず、有益な研究成果は達成されていない。 2.デルファイ手法による教材適性向上に向けた考察は、ほぼ順調 ・専門研究機関、中小企業診断士、大学教員など専門家による研究会を開催し、デルファイ手法による多様な知見の反復・収斂を行った。とくに、2019年度に実施した海外事例調査では、現地政府機関、試験研究機関、関連企業の専門家等と多様な意見収斂に努めた。さらに、これまで蓄積した約90件の事例と上記調査事例との相乗効果による普遍性、教材適性等について、様々な専門家と共に学術的な観点から分析・解明に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.良質なビジネスケースメソッド開発 ・コロナ禍の状況下ではあるが、引き続き、新たな中小企業のケースメソッド事例のヒアリング調査を実施予定である。とくに、2019度以降に実施した海外ケースメソッド事例については、新たな事例研究に着手する予定である。具体的には、外国人労働者(とくに特定技能)について、事例研究および考察に着手しており、これを完成させる予定である。 2.デルファイ手法による教材適性向上に向けた考察 ・専門研究機関、中小企業診断士、大学教員など専門家とともにケースメソッド研究会を開催し、デルファイ手法による多様かつ学術的な知見の反復・収斂を行い、事例教材としての精度向上を図る。なお、上記研究会(オンライン開催含む)は、新たなケース事例の発掘に向けた情報収集等にとって有益な機会であり、積極的に参加したい。
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Causes of Carryover |
本研究は、企業等へのヒアリング調査、現地視察等をもとに分析・考察を行うことが最も重要な研究手法となっている。しかし、2020年度以降は新型コロナウィルス感染拡大により、ほとんどの出張が取りやめとなり、十分な研究活動ができなかった。
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