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2017 Fiscal Year Research-status Report

児童生徒に対する睡眠と疲労の客観的健康評価を活用した不登校予防に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K04896
Research InstitutionKansai University of Welfare Sciences

Principal Investigator

大川 尚子  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (70369685)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 倉恒 弘彦  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50195533)
福田 早苗  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50423885)
水野 敬  国立研究開発法人理化学研究所, 科学技術ハブ推進本部, チームリーダー (60464616)
藤岡 弘季  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (70382083)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords不登校児童生徒 / 自律神経機能 / 睡眠・覚醒リズム
Outline of Annual Research Achievements

<平成29年度研究実績>
【対象と方法】2017年に調査を希望した和歌山県A市中学生1・2・3年生200名を対象とした.検査結果は,大阪府B市中学生69名の結果と比較した.ピッツバーグ睡眠質問調査票(PSQI)と文部科学省研究班発表の疲労度自覚的調査問診表を用いた.客観的な疲労評価としては,ライフ顕微鏡を3日間装着して,①覚醒時活動量,②覚醒時居眠り回数,③睡眠効率,④睡眠時中途覚醒回数,⑤睡眠時間の項目について検討した.自律神経機能については,「疲労・ストレス検診システム」を用いて,心拍の周波数解析により自律神経機能を評価した.
【結果と考察】A市中学生をB市中学生と比較すると,自覚的な疲労調査や睡眠調査の結果,身体疲労得点(p<0.05),精神疲労得点(p<0.05),総合疲労得点(p<0.05),睡眠得点(p<0.05)ともにA市中学生の方が有意に低く,自覚的に健康的に生活していることが判明した.学年別に見ると学年が上がるにつれて,疲労度が増加していた.自律神経機能評価でも,A市中学生はB市中学生と比較して,交感神経活動と副交感神経活動のバランスを表すlogLF/HFが有意に低く(p<0.05),自律神経バランスが安定していることが明らかになった.睡眠・覚醒リズム解析では,A市中学生は B市中学生と比較して,覚醒時活動量が有意に低く(p<0.01),日中の活動量が少ないことが判明した.
【不登校傾向にある児童生徒の調査】
和歌山県A市の放課後等デイサービス2教室に在籍する児童生徒に同様の調査を実施し解析している。同じ地域の中学生と比較することで、不登校や体調不良に結びつく自覚症状や睡眠・自律神経機能などの客観的な指標の詳細な特徴を明らかにすることができると考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初、同じ児童生徒が小学校から中学校に進学する前向き調査を考えていたが、同じ校区での小学校と中学校の調査協力が校長や養護教諭の異動により難しい状況になったので、同じ中学校での前向き調査に切り替えて実施している。中学校1年生が中学校3年生になる間にどう調査結果が変化していくかを検討したい。
また、不登校傾向の児童生徒への調査に関しては、公的機関では調査が難しく、放課後等デイサービスに依頼し実施している。同じ地域の中学生と比較することで、不登校や体調不良に結びつく自覚症状や睡眠・自律神経機能などの客観的な指標の詳細な特徴を明らかにしたい。

Strategy for Future Research Activity

【児童生徒の調査】
平成30年度は、同一地区における前向き調査研究として、中学生を対象に、29年度と同様に問診票を用いた健康評価、自律神経機能評価、睡眠・覚醒リズム解析を実施して客観的指標を評価し、不登校につながる客観的な特徴を明らかにする。中学生では、学年が上がるにつれて不登校率が急増することが知られているが、平成29年の児童生徒が進級しており、同一集団においての不登校につながる指標を解析していきたい。客観的なバイオマーカーにて異常がみられた児童生徒に対しては、養護教諭やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーと連携してセルフケアを中心とした支援プログラムを実施していきたい。
【不登校傾向にある児童生徒の調査】
和歌山県A市の放課後等デイサービス2教室に在籍する児童生徒に同様の調査を実施する。同じ地域の中学生と比較することで、不登校や体調不良に結びつく自覚症状や睡眠・自律神経機能などの客観的な指標の詳細な特徴を明らかにしたい。不登校の児童生徒は、日中の居眠り回数が増加することや夜間睡眠中の中途覚醒回数が増加して睡眠効率が低下すること、相対的な交感神経系の過緊張が睡眠の質の低下に結びついていることなどが判明しており、客観的な睡眠・覚醒リズム解析の結果から児童生徒の健康状態を評価していく。

Causes of Carryover

放課後等デイサービスの児童生徒の調査が、デイサービスの都合で春休み期間となったため、その調査にかかる経費(郵送費・解析費等)が次年度に繰り越しとなったため。

  • Research Products

    (5 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 児童生徒に対する客観的疲労度評価2017

    • Author(s)
      大川尚子,治部哲也,長見まき子,福田早苗,野口法子,松中久美子,松村歌子,川村佐千代,藤岡弘季,東尾真紀子,久保加代子,八田武志,水野 敬,倉恒弘彦
    • Journal Title

      日本疲労学会誌第12号

      Volume: 2巻 Pages: 44-57

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 小中学校の児童生徒に対する客観的健康評価-疲労、睡眠と生活習慣との関連について2018

    • Author(s)
      大川尚子,川村小千代,松村歌子,治部哲也,藤岡弘季,福田早苗,長見まき子,八田武志,倉恒弘彦
    • Organizer
      第7回総合福祉学会
  • [Presentation] 子どもに対する客観的健康評価Ⅱ-疲労、睡眠と自律神経機能との関連について-2017

    • Author(s)
      大川尚子,長見まき子,福田早苗,藤岡弘季,治部哲也,松村歌子,川村小千代,八田武志,倉恒弘彦,水野 敬
    • Organizer
      第12回日本疲労学会
  • [Presentation] 子どもに対する客観的健康評価-疲労と睡眠の関連について-2017

    • Author(s)
      大川尚子,川村小千代,松村歌子,野口法子,藤岡弘季,倉恒弘彦
    • Organizer
      第64回近畿学校保健学会
  • [Presentation] 児童生徒に対する客観的健康評価 -疲労、睡眠と生活習慣との関連について-2017

    • Author(s)
      大川尚子,川村小千代,野口法子,倉恒弘彦
    • Organizer
      第64回日本学校保健学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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