2018 Fiscal Year Research-status Report
グローバルに発信する日本の伝統・文化を生かした教育モデル-身体表現コアプログラム
Project/Area Number |
17K04898
|
Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
畑野 裕子 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (80167585)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | グローバル / 日本の伝統・文化 / 身体表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、グローバルに発信する日本の伝統・文化に関して、文化理解の観点から検討を試みた。具体的には、初年度に収集した「日本の伝統・文化」、「身体表現」やそれらの教育に関して研究資料等を整理し、新たに追加した研究資料についても検討を試みた。 総合的な学習の時間における国際理解に関する研究を概観すると、様々なアプローチがなされているが、2017年の学習指導要領の改訂を機に、これらの論文をレビューする必要があると考えた。具体的には、CiNii登録論文(本文掲載を有する論文)を対象に、国際理解教育をフリーワードとして論文検索し、それら論文名について、テキストマイニングによる検討を試みた。その結果、抽出語としては、英語、社会等が数多くみられた。しかし、身体に関しては、ごく僅かしかみられなかった。身体に関わる論文をみると、横田は、国際理解教育について、「からだそのもの」に根ざした理解のあり方に注目し、野口三千三の身体観を手がかりとして、文化を流体としてとらえる視点から論じている。しかし、具体的な野口体操の実践については、記されていない。 身体表現に関連して、世界に知られる日本文化をみると、伝統文化(能、狂言、歌舞伎、日本舞踊等)に加え、現代の日本独自の前衛的な身体芸術として、Butoh(舞踏)があげられる。ButohダンサーのKasaiは、西洋的な身体表現技法とは異なる野口体操のコンセプトについて言及している。しかしながら、教育現場における野口体操の実践は、三上らの報告がみられるものの、数少ないようである 今回、この野口体操に関する貴重な実践資料(野口三千三氏に師事した指導者が実施した身体表現の授業における受講者の回答)の提供が得られた。そこで本年度は、その野口体操実践における質問紙回答について分析し、その結果を2018AIESEP World Congress において発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究2年目として、交付申請書に記載した研究目的を大きく変更することはなかったが、当初予定していた実践資料などの収集整理・分析などが、やや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進については、現段階で研究計画にやや遅れがあるものの、大きな変更の予定はなく、おおむね交付申請書に記載した研究計画通りに推進する予定である。
|
Causes of Carryover |
平成29年度(2017年度)に予定していた資料収集の出張等について、スケジュールの都合等で取りやめたり、データの収集整理が完遂まで至らなかったりしたため、一部予算が平成30年度(2018年度)に繰り越すこととなった。その経費は平成30年度の経費と合算となったが、その中で平成29年度の経費については使用済みとなった。そして、当初の平成30年度年度経費は、データの収集整理・分析等にやや遅れが生じたため、繰り越すこととなった。令和元年度(2019年度)は、これまでの繰り越し分を含め、追加資料の整理・分析のための物品購入や人件費、研究成果発表の旅費等を予定しており、そこに充当する計画である。それ以外の研究費使用計画に関しては、おおむね当初の研究計画通りである。
|