2018 Fiscal Year Research-status Report
小学校体育における「攻守一体プレイタイプ」の教材開発
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17K04905
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Research Institution | Minami Kyusyu University |
Principal Investigator |
宮内 孝 南九州大学, 人間発達学部, 教授(移行) (70586015)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 攻守一体プレイタイプ / 教材開発 / 段ボールラケット / 作戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果を生かした教材づくりとその教材を用いた4時間の体育授業実践(5年生)とその分析を試みた。昨年度と同じ授業対象児童(昨年は4年生)であったため継続的な指導や授業分析が可能であった。 昨年度の授業実践を通して、ボール操作特に段ボールラケットを使ってボールを体側で打ち返す動きをができるようになった。本年度は、この動きをつかって「返球を失敗させて得点を獲得する」を学習課題とした教材づくりとその授業実践に取り組んだ。 児童は「相手が構えている位置とは逆のスペースをねらう」「コートのすみをねらう」といった「スペースをねらう作戦」、「左右に打って相手をゆさぶる」といった「スペースをつくる作戦」、「すぐに低いボールを返球する」といった「構える時間を奪う作戦」の3タイプの作戦を考え、その実行に取組みながらゲームを楽しんだ。 本教材の仲間との連携が必要がないこと、やさしくボール操作ができるように工夫していることから、その作戦が成功裏に終わることが多かった。ゲーム中におけるボールの着地位置が単元当初はコート中央部分が多かった。それが、単元後半には、コートの前後左右にも拡散するようになった。このことからも、児童は作戦実行に取り組んでいたことがうかがえる。また、形成的授業評価の「成果」「意欲・関心」「学び方」「協力」のいずれも2.7以上を毎時間達成していたことから、児童は本教材を肯定的に受け止めながら、本課題を解決したと思われる。 今後は、ゲーム中におけるボールの着地位置などのゲーム分析を詳細に行って、児童の作戦とその実行の様子を詳細に分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、先行研究や検証授業の考察を行い、教材開発の知見を得ることができた。平成30年度は 2回目の検証授業を実施しその成果の分析に取り組んでおり、概ね順調に研究が進んでいる。 本年度は、今までの2回の検証授業で得た知見を生かして教材開発に取り組み、その教材を用いた検証授業を行う。そして小学校中学年から中学校までの「攻守一体プレイタイプ」の指導プログラムを提案したい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29、30年度の研究推進によって得た知見をもとに、さらに教材開発とその検証授業(6年生 体育授業)に取り組む。 申請者が主催するチャレンジ運動教室において、開発した教材を用いた実践を試みながら、教材の工夫・改善に取り組む。そして、本年11月以降に小学校体育授業において、その教材を用いた検証授業に取り組む。また、小学校体育研修会にて、本研究成果を発表して小学校体育での実践を促す。
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Causes of Carryover |
予定していた情報収集のための旅費が、授業との関係で完全に実施できなかった。また、購入予定のタブレット・ビデオカメラなどの備品やテニスラケット、ボールなどの消耗品については、既存のものが代用できたので購入しなかった。本年度は、3カ年計画の最終年である。検証授業に必要な備品や消耗品購入、研究成果発表の旅費、授業分析のための人件費を計画的に執行して、研究を推進し成果をまとめていきたい。
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Research Products
(3 results)