2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of next generation type teaching materials corresponding to group work classes of engineering mathematics based on TeX environment
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17K04907
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
友安 一夫 都城工業高等専門学校, 一般科目理科, 教授 (10332107)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Tex / アクティブラーニング / ブレンド型授業 / 反転授業 / グループ学習 / ICT / 工学系数学 / 高専数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度は微分積分学(1変数)とH29年度からの継続として微分方程式の科目でグループ型学習のALによる授業を導入した.この2科目の授業を行いながら学習内容毎に,(1) 講義内容の劣後順位付けと知識のデリバリ・スキルの留意点の調査,(2) グループ型学習の教員介入に対する留意点の調査,(3) 反転授業に伴う事前授業の動画を作成した. H29年度は基礎数学(40人クラス)と微分方程式(80人クラス)の授業で上記の(1)~(3)に関して授業実践を行いながら,Tips の集積を行った.H30年度は通常クラスでは,微分積分学(1変数)の授業において,授業科目に依存しない上記 (1)~(3)のTipsの検証を行った.また,微分方程式(80人クラス)の授業では H29年度に引き続き,(1)~(3)のTipsの集積に努めた.なお,ALの授業展開に関連して,反転授業で用いた映像の管理は H29年度と同様にYouTube で行ったのだが,H30年度におけるYouTubeの視聴時間数がH29年度と比較して減少したことから,反転授業の実施方法に改善の必要が確認された. また,グループ学習を種々の形態で実施し,その実践結果を数学教育論文としてまとめることができた.具体的には数学の成績不振者を対象として朝学補習,夏季休業中のTAによる寺子屋補習,自由参加型の補習をアクティブラーニングにより実施し,その教育効果の検証を行った.なお,この研究成果については日本数学教育学会第100回全国算数・数学教育研究(東京)大会の高専・大学部会(2018年8月4日)と数学教育学会2019年度春季例会(2019年3月18日)において口頭発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず,H30年度から研究代表者の学内業務として寮務主事(副校長)を拝命した結果,本年度は寮務主事初年度ということもあり,十分な研究時間を確保できなかった. また,H30年度における反転授業は,昨年度に引き続き事前授業動画をYouTubeで管理することにより実施した.しかし,事前授業動画の視聴率が年間を通してよくない状況が確認された.このため,事前授業動画の作成方法,反転授業の実施方法について検証する必要が生じた.この結果,R1年度は反転授業の実施方法及びYouTubeにアップロードする事前授業動画を作成するためのTipsを再度考究しなければならなくなった. さらに,本研究はサイエンス社から出版されている高専数学テキストシリーズ(基礎数学,線形代数,微分積分学,応用数学)の改訂版に最終的には本研究で得られた知見を順次反映することを目標としている.ただ,H30年度に,サイエンス社から高専卒業後に大学の工学部に編入を目指す学生のための自学自習可能な「大学編入試験問題集」の出版の執筆依頼があった.これにより,年度当初に掲げた本研究計画に加えて,この「大学編入試験問題集」の執筆作業が加わり,本研究計画の推進がやや遅れる状況となった.
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Strategy for Future Research Activity |
R1年度もH30年度と同様,微分積分学(1変数)と微分方程式の科目で,グループ型学習のALによる授業を実施し,学習内容毎に,(1) 講義内容の劣後順位付けと知識のデリバリ・スキルの留意点の調査,(2) グループ型学習の教員介入に対する留意点の調査,(3) 反転授業に伴う事前授業の動画の作成について研究を推進していく予定である. なお,R1年度における反転授業は,昨年度に引き続き事前授業動画をYouTubeで管理することにより実施する予定である.ただ,H30年度は事前授業動画の視聴率が年間を通してよくない状況が確認された.このため,今年度は事前授業動画の作成方法,反転授業の実施方法について再度考究しながら,研究を推進する予定である. また,微分方程式の講義において,逆ラプラス変換の計算で部分分数分解をヘビサイド法を用いて計算することをここ十数年来に渡り学生に教えている.このヘビサイド法を学生に教授するデリバリ・スキルに関しては十分固まってきている.このヘビサイド法に関するデリバリ・スキルに関して日本数学教育学会第101回全国算数・数学教育研究(沖縄)大会の高専・大学部会(2019年8月8日)で口頭発表する予定である.
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Causes of Carryover |
H30年度から研究代表者の学内業務として寮務主事(副校長)を拝命した.寮運営業務の初年度ということもあり,非常に多忙な状況であった.加えて,年度当初に大きな問題が寮内で発生し,その対応にさらに多くの時間を割かざるを得ない状況となった.このため,本年度の前期は十分な研究時間を確保することができなかった. さらに,本研究はサイエンス社から出版されている高専数学テキストシリーズの改訂版に最終的には本研究で得られた知見を順次反映することを目標としている.ただ,H30年度後期に,サイエンス社から高専卒業後に大学の工学部に編入を目指す学生のための自学自習可能な「大学編入試験問題集」の出版の執筆依頼があった.これにより,年度当初に掲げた本研究計画に加えて,この「大学編入試験問題集」の執筆作業が加わり,本研究計画がやや遅れる状況となった. また,今年度の使用計画については,反転授業のための事前授業動画を編集及び管理するするためのPC及びその周辺機器の購入を計画している.加えて,昨年度ほとんど実施できていない連携研究者との研究打ち合わせのための旅費や共同研究者等の招聘に充てる予定である.
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Research Products
(3 results)