2018 Fiscal Year Research-status Report
発達アセスメント等に基づく知的障害児者向け情報モラル指導カリキュラムの開発
Project/Area Number |
17K04909
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
爲川 雄二 東北大学, 教育学研究科, 助教 (30351969)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知的障害 / 発達障害 / 特別支援学校 / 情報モラル / 携帯情報端末 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、知的障害児者を対象に実施された知能検査等の心理・発達アセスメントや、社会適応のアセスメントのデータと、情報モラルの獲得を含めたICTの利用状況の関連を定量的に示した上で、知的障害児者の情報モラル獲得の支援における、個々のアセスメント情報の活用可能性を明らかにすることを目的としている。 2年目にあたる今年度は、前年度に実施した予備調査の結果をふまえて、全国の知的障害特別支援学校の中学部と高等部を対象に、個々の生徒における心理・発達アセスメントのデータと情報モラルの獲得を含めたICTの利用状況に関する個別調査を実施した。予備調査で利用が多くみられた心理・発達アセスメント(S-M社会生活能力検査、WISC-III、WISC-IV、田中ビネー知能検査)を実施している知的障害特別支援学校156校の中学部と高等部が対象となった。個別調査では、個々の生徒における心理・発達アセスメントの結果の他、言語コミュニケーション能力の状況、読字・書字能力の状況、携帯情報端末の所有状況、ICT利用でのトラブル経験の有無(経験があればその内容)、「情報モラル指導モデルカリキュラム表」(日本教育工学振興会, 2007)を基にした情報モラルの獲得状況の回答を担任教師に求めた。対象となった156校のうち、50校(32.1%)から2221名分の回答を得た。 これらの回答結果は、最終年度(令和元年度)で集計・分析して、当初の研究計画「心理・発達アセスメント結果と情報モラルの獲得を含めたICTの利用状況の関連の定量化」の遂行に結実させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も計画通り個別調査が実施でき、集計も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる次年度(令和元年度)では、個別調査の回答を集計・分析して、当初の研究計画「心理・発達アセスメント結果と情報モラルの獲得を含めたICTの利用状況の関連の定量化」の遂行に結実させ、「情報モラル指導モデルカリキュラム表」(日本教育工学振興会, 2007)と比較しながら、子どもの発達段階に準拠した(根拠に基づく)新たな「情報モラル指導モデルカリキュラム」の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
アンケート調査の対象数ならびに回収率が当初の計画を下回り、郵送費が定額となった。また、研究補助の人員を雇用しなかった。最終年度にあたる次年度において、研究報告書の印刷・製本・郵送の経費に次年度使用額を充当する。
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