2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of tools to improve the qualifications of teachers in charge of resource rooms in high schools and enhance their teaching.
Project/Area Number |
17K04910
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野口 和人 東北大学, 教育学研究科, 教授 (40237821)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 通級による指導 / 高等学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等学校における通級による指導は2019年度で2年目を迎えたところである。その実施状況は自治体によって様々であり,モデル的な取り組みを進めながら,適切な実施方法,具体的な指導内容・方法を模索しているというのが現状である。 そのようななか,いくつかの課題も明らかになっている。まず,他の生徒たちと離れ,一人だけ別の場で授業を受けることへの抵抗感に関し,生徒の心情を汲み取りながら,どのようなカリキュラム,体制のもとで個別の支援を行っていくか,学校全体としての総意と工夫が必要となる。当然,通級指導担当以外の教員の理解も必要となるが,この点に関し,まだ不十分であると感じている通級指導担当教員も少なくないようである。 また,高等学校段階の生徒に対する自立活動の指導についても,そもそも自立活動の指導自体の理解が進んでいないことに加え,年齢段階に応じた具体的な指導内容を設定していく際に,参照しうるものが限られているという状況にある。実際に行われている指導の内容を見ると,高等支援学校における指導や知的特別支援学校に在籍する比較的能力の高い生徒を対象とする指導,中学校特別支援学級で行われている指導などを参照としていることが想定されるものもある。高等学校における通級による指導の設置数自体がかなり少ないこともあり,担当者数が限られている。これは,指導内容や方法等に関する情報やノウハウの蓄積とそれらを共有することが難しいという状況を作り出している。 なお,パイロット的検討から見出された以上の諸点について,規模を拡大して改めて確認をしたうえで,通級による指導担当教員の資質を高めていくために必要な要件を整理することを想定し,年度末の2月,3月にインタビュー調査,訪問調査等を集中的に実施することを予定していたが,新型コロナウィルス感染症拡大の影響により実行に移すことができなかった。
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