2017 Fiscal Year Research-status Report
学校教育実践における自己モニタリングシステムを組み入れた行動改善プログラムの開発
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17K04916
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
霜田 浩信 群馬大学, 教育学部, 教授 (80364735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 信三 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (50324950)
五十嵐 一徳 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 助教 (50710810)
太田 研 星美学園短期大学, 幼児保育学科, 講師 (10709405)
五味 洋一 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (80642131)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自己モニタリング / セルフ・マネジメント / 知的障害 / 発達障害 / 適応行動 / 学校教育実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子ども自らが適応行動を獲得することを目指して、子どもが自らの行動を自己モニタリングする過程を明らかにし、その過程で生じる自己モニタリングの困難さに基づいた自己モニタリング行動そのものへの支援法を検討し、学校教育実践における自己モニタリングシステムを組み入れた行動改善プログラムを開発することを目的としている。 本年度においては、以下の研究を進めた。 研究1 知的障害の教育現場における自己モニタリングに関する実践のアンケート調査:知的障害特別支援学校での授業実践における個人目標の設定や振り返り(学習評価)について、その実践や手立て・工夫などについて調査を行った。その結果、児童生徒から学習・活動したことの報告・感想を得ることで個人目標の達成状況を教師が確認していることが明らかになった一方で、半数程度の児童生徒が言語表現の難しさから振り返りに困難を抱えており、児童生徒個人の実態を適切に把握し、目標設定や振り返りが実施できるような手立てと工夫を考える必要性が確認された。 研究2 自己モニタリング行動の過程検討および適応行動獲得の要因を明らかにする視点の検討: 日本特殊教育学会第55回大会の自主シンポジウムにおいて、セルフ・マネジメントの枠組みを用いて、セルフ・マネジメントの分析枠,セルフ・マネジメントの行動随伴性の先行研究調査,日常生活場面におけるセルフ・マネジメント支援の実際の話題提供を通して、その適用条件や適応行動獲得に及ぼす要因を検討した。 研究3 自己モニタリング行動への支援に基づく適応行動獲得の検討:セルフ・マネジメントや自己モニタリング行動の枠組みを用いて、自主学習場面、漢字書字学習場面、ゲーム場面、意思決定場面等での実践場面における適応行動獲得のための支援を実践した。その結果は、研究2で検討された分析枠に基づいて行動改善につながる要因を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,アンケート調査によるデータを収集と分析、自己モニタリング行動の枠組みやその要因検討、適応行動獲得を目指した実践を通した検討など実施した。今後も計画していたスケジュールに沿って研究を継続できる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1としての「知的障害の教育現場における自己モニタリングに関する実践のアンケート調査」により収集したデータをさらに整理をして、目標設定と振り返りの観点によって分析を行い、学校教育実践における自己モニタリング行動による行動改善の課題をさらに明らかにする。 研究2としての「自己モニタリング行動の過程検討および適応行動獲得の要因を明らかにする視点の検討」では、平成29年度に実施した実践研究を改めて今回検討した分析枠を用いて、自己モニタリング行動や適応行動の獲得要因を捉えなす予定である。 研究3としての「自己モニタリング行動への支援に基づく適応行動獲得の検討」では、自己モニタリング行動の過程において生じる困難さを明らかにしたうえで、その困難さに基づいた支援方法を検討すること、ならびに自己モニタリング行動による行動改善の要因を検討することを目的として、次の4つの実践研究を予定している。①実践研究1:モニタリングする行動の理解と行動生起に対する方法の検討、②実践研究2:自己モニタリングを促す方法の検討、③実践研究3:評価基準の設定による自己記録と自己評価を促す方法の検討、④実践研究4:自己評価分析に基づく次の目標・プラン設定の検討
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Causes of Carryover |
研究協力者がデータ処理で使用するパソコン等機器を個人所有の物で一時期的に対応したためである。2年次のデータ処理で使用する機器として助成金を使用予定である。
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Research Products
(10 results)