2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K04917
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
名越 斉子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30436331)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 本調査 / データ分析 / 自己調整 / 発達障害 / 評定尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)本調査 6-12月に教員対象調査は、東北、関東、関西の4県643公立小中学校に対して、教育委員会や特別支援学級等設置校長会を通じて調査協力を依頼し、教員1464 名(回収率47.0%)の回答を得た。保護者調査、予備調査同様にA県内の5地区を網羅するように14の公立小中学校に協力を依頼し、430名(回収率17.9%)から回答を得た。結果の処理は教員データを中心に進めている。まず、学校基本調査の結果と比べて、特別支援教育を受けている児童生徒の割合が高かったため、近似値になるようにランダム抽出し、1251名をノルムに用いることにした。A県78.8%、他の3県20.8% 、不明0.6%と地域に偏りがあったが、A県とそれ以外の3県の2群間には、自己調整尺度の基本的なクラスタの合計得点における有意差はなかった(効果量はほとんどない-小)ため、区別せずに使用することにした。回答者である教員から見て知的発達に遅れがないとされた児童生徒の不注意・多動、対人関係のつまずきやこだわりの程度は、評定や算出の方法に違いはあるものの、文科省(2012)に近似した結果であり、本ノルムが日本の児童生徒の代表性を備えていることを支持すると考えられるが、他の属性も含めて分析を進めている。さらに、原版の著者と連絡を取りながら、標準得点やパーセンタイル順位・範囲の作成を進めている。これらの結果を踏まえ、教員評定尺度を完成させ、保護者データも同様に処理を行う予定である。 (2)信頼性妥当性検討 10-3月に特別支援教育士支部会等を通じて、本尺度に関心のある指導者を募り、29名からデータを収集した。2020年度にさらにデータを集める予定である。 (3)文献、理論の整理 原版著者に理論や支援の考え方の確認を行うとともに、関連の文献を集め、整理にあたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
建物改修のため、回収データ入力の作業スペース確保やシステムの整備に時間を要し、データ処理・分析も遅れている。それに伴い、信頼性・妥当性検証データ収集もずれ込んだ。さらに、新型肺炎感染対応が必要な状況になり、データ収集の中断、原版著者や研究協力者との連絡、研究統括者自身も作業の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査データ処理を進めながら、本研究に関わる人の安全、関連機関の活動の正常化を待ち、とりわけ協力者の負担のないように配慮しながら、不足データの収集を再開する予定である。 2020年度に予定していた学校や教育機関における実践研究も、担当者の内諾を得た段階で止まっており、実施が難しい状況である。研究期間を延長する等の計画変更も含めて状況を見極める予定である。
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