2020 Fiscal Year Annual Research Report
Suicide related behaviors in college students with neurodevelopmental disorders
Project/Area Number |
17K04918
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 慶一郎 東京大学, 相談支援研究開発センター, 教授 (10323586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苗村 育郎 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (00155988)
水田 一郎 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (20273641)
布施 泰子 茨城大学, 保健管理センター, 教授 (60647725)
金子 稔 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (50571858)
丸田 伯子 一橋大学, 保健センター, 教授 (50343124)
佐藤 武 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 教授 (30178751)
田中 生雅 愛知教育大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10262776)
岡本 百合 広島大学, 保健管理センター, 教授 (90232321)
伏見 雅人 秋田大学, 保健管理センター, 教授 (10291270)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害 / 自殺 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウェブアンケート調査により,大学生であること,18歳から39歳であることを抽出条件として2021年1月に男性500名,女性500名から回答を得た.男女比,学部学生と大学院学生の比率,在籍専攻の比率,所在地の比率を文部科学省統計要覧を母集団として本サンプルのばらつきを評価したところ,いずれも統計的な差は認められなかった.対象者には,AQ-10-J,ASRS v1.1 partA(以下ASRS),K6,米国の大学生調査(ACHA-NCHA)の質問項目を参考にしたオリジナルの質問(自殺企図,自殺念慮,自傷行為,自責感,罪責感,不安感,怒りをそれぞれ最近30日,最近1年間で経験したかどうかを問う)の回答を求めた. 結果から,最近30日間で自殺念慮を抱いたと回答した者は2.8%,自殺企図を行った者は1.5%であった.同様に過去1年間の自殺念慮は10.7%,自殺企図は4.5%であった.米国で 2020年12月に実施された報告では自殺企図は2%で認められ(NCHA-Ⅲ-2020 Reference),本調査の自殺企図が2倍以上と高いことが分かった. 自殺関連行動とAQ-10-J,ASRS,K6との関係をみたところ,直近30日に自殺関連行動を行った者は,自殺企図でのASRSを除き,全ての得点が有意に高かった.また,最近1年間の自殺企図と自傷行為を行った者は,AQ-10-J,ASRS,K6の得点が高かった.即ち,自殺関連行動にはASDやADHDの性質が関与している可能性が示された. さらに,自殺関連行動のそれぞれ(自殺企図,自殺念慮,自傷行為)の有無を従属変数,年齢,性別,AQ-10-J,ASRS,K6,オリジナルの質問項目(自責感,罪責感,不安感,怒り)を独立変数として,探索的に多重ロジスティクス回帰分析を行ったところ,適切なモデルが得られなかった.今後はより良いモデルを検討してゆく必要がある.
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