2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of life-long development support system according to life stage of people with intellectual developmental disabilities
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17K04922
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
菅野 敦 東京学芸大学, 特別支援教育・教育臨床サポートセンター, 教授 (10211187)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知的発達障害 / ライフステージ / 生涯発達支援 / 支援プログラム / 支援課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、知的発達障害者におけるライフステージ別の支援課題に関わる調査研究(研究1)及び活動内容に関わる調査研究(研究2)によって明らかになった結果を基に、支援プログラムの作成に取り組んだ。研究協力者との協議を重ねた結果、支援課題のうち、成人期以降の自立生活に関する内容や、転職・キャリアアップなどが特に問題として挙げられた。これらの問題に対して知的発達障害者自身が主体的に考えて解決していくために、4領域のベースとなる「考えるわざ」を学ぶことが必要であると考えられた。そのため、成人期以降の学習活動を主な活動として設定し、支援プログラムを作成することとした。支援内容として成人期を4つの期に分け、それぞれの期に学習する内容を整理した。その結果、主にコミュニケーション領域や学習・余暇領域の内容に取り組む「ヤングアダルトプログラム(23~30歳)」、作業・就労領域を中心としつつ自立生活領域やコミュニケーション領域の内容にも取り組む「ミドルアダルトプログラム(31~45歳)」、作業・就労領域を中心としつつ自立生活領域や学習・余暇領域の内容にも取り組む「シニアアダルトプログラム(46~55歳)」、主に自立生活領域や学習・余暇領域の内容に取り組む「オールドアダルトプログラム(56歳~)」というライフステージに応じた支援内容が提案された。支援方法として、東京学芸大学での「オープンカレッジ東京」の取り組みにおいて、講義内容や教材作成に関する研究協力者との議論を通して、「考えるわざ」を学習するプロセスを整理し、知的発達障害を有する受講生へそのプロセスに沿った学習活動を提供した。支援プログラムの検証としては毎回の学習活動を振り返り、受講生の正答率の上昇や保護者から収集した日常生活の変化に関する情報などから、効果的であったと言える。
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