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2017 Fiscal Year Research-status Report

認知特性の偏りを包括した学童期英語指導の体系化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K04926
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

入山 満恵子  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40389953)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岡田 祥平  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20452401)
加藤 茂夫  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70347368)
有川 宏幸  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80444181)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsジョリーフォニックス / 読み書きの苦手さ / 音韻課題 / 文字―音指導
Outline of Annual Research Achievements

本年度は予定通り、検証対象のM市の児童がジョリーフォニックス(以下JP)による指導を定期的に受講した。また同時並行的にJPでの指導効果、日本語の読み書きの苦手さを検出するスクリーニングで用いる際の課題(日本語課題)の準備を行い、内容検証のため、JPを英語指導に導入していない他市(市街中心部;以下A市)の学校でも同様の課題を用いて結果を分析した。対象児童数はM市が5,6年生計970名、統制群のA市は5,6年計63名であった。両課題を実施した時期はM市でのJP指導も約半年間進んだ11~12月であったが、両者に興味深い違いがみられた。すなわち、①日本語書字課題(平仮名、片仮名、漢字)の成績は統制群のA市がM市に比べ高かった②日本語音韻課題の成績はM市が有意に高かった③英語課題は当然のことながらJP指導が入ったM市が有意に高かった、との結果であった。平仮名、片仮名、漢字の日本語書字課題成績は教育環境がより整ったA市が高いにもかかわらず、日本語の音韻課題の成績はM市が上回った。この事実から、半年間JPで英語の文字―音の関係を日常的に指導されたM市の子どもたちの、音への敏感性が増したのでは?との仮説が導き出された。つまり、英語指導での文字―音の強化の効果が日本語にも汎化したのではないか、との予測である。我々は普段の生活のなかで、日常的に使用していることばの「音」の側面に意識を向けることはほとんどない。しかし英語学習のなかで「一つひとつの音をしっかり認識する」活動を通して、自然に母語を構成する音への認識も高まることが期待できる。このことはすなわち、もともと学習障害等認知能力の偏りによって「音韻」の弱さを持っている子どもたちにとって弱さを補強するトレーニングにもなる上、JPは多感覚で学ぶため、記憶の定着も期待できる。今後、使用した課題も活用しながら、さらなる効果検証を続ける予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

課題の検証に時間がかかったため、一斉課題実施の後、個別のスクリーニング実施まで至らなかったが、平成30年度JP指導開始前には実施できるめどがついている(すでに一斉課題は実施済み)。また、JP指導のスーパーバイザーである研究協力者の日程の都合上、平成29年度3月に来日となったため、それに伴う諸活動が多少遅延したが、特にJP指導その他の検証に大きな遅れは来していない。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定通り、年度初めに一斉スクリーニングを実施し、その後結果によって個別に対応する予定である。また、定期的に指導効果を測定し、子どもたちの伸びを確認しつつ子どもの認知特性との関連性を検証する。
さらに、今年度中学1年生に進学した昨年度小6生についても、中学校での英語の成績を縦断的に追跡し、従来までのJP指導を受けていない学年の子どもたちとの比較を通して効果検証を進める予定にしている。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由として、年度途中に来日する予定だった研究協力者の予定が29年度3月にずれ込み、その分の旅費が計上できなかったことと、当初購入予定であった教材が、指導上の理由から次年度に繰り越されたことの2点が挙げられる。
来日予定が遅れたことによる、計画遂行上の支障はなく、また購入予定教材についてもすでに手配済みであり、今年度も当初計画に基づき粛々と計画を進める予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2017

All Journal Article (3 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 英語習得初期段階における効果的な指導法の検討―統合的フォニックスの活用―2017

    • Author(s)
      入山満恵子、加藤茂夫、山下桂世子、渡辺さくら
    • Journal Title

      コミュニケーション障害学

      Volume: 34 Pages: 136-136

  • [Journal Article] 小学校外国語活動早期化・英語教科化を見据えたフォニックス指導の実践2017

    • Author(s)
      加藤茂夫、入山満恵子
    • Journal Title

      関東甲信越英語教育学会第41回新潟研究大会発表要綱

      Volume: 41 Pages: 92-93

  • [Journal Article] 日本語を母語とする中学生への効果的な英語学習法の検討2017

    • Author(s)
      入山満恵子、加藤茂夫、渡辺さくら、山下桂世子
    • Journal Title

      日本LD学会第26回大会研究論文集

      Volume: 26 Pages: 79-80

  • [Presentation] 英語習得初期段階における効果的な指導法の検討―統合的フォニックスの活用―2017

    • Author(s)
      入山満恵子、加藤茂夫、山下桂世子、渡辺さくら
    • Organizer
      第43回日本コミュニケーション障害学会学術講演会
  • [Presentation] 小学校英語教育における文字指導―読み書きにつなげるシンセティック・フォニックス実践2017

    • Author(s)
      山下桂世子、入山満恵子、加藤茂夫、渡辺さくら
    • Organizer
      第17回小学校英語教育学会
  • [Presentation] 小学校外国語活動早期化・英語教科化を見据えたフォニックス指導の実践2017

    • Author(s)
      加藤茂夫、入山満恵子、山野有紀、鈴木久子、北村陽子
    • Organizer
      関東甲信越英語教育学会第41回新潟研究大会
  • [Presentation] 日本語を母語とする中学生への効果的な英語学習法の検討2017

    • Author(s)
      入山満恵子、加藤茂夫、渡辺さくら、山下桂世子
    • Organizer
      日本LD学会第26回大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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