2019 Fiscal Year Research-status Report
認知特性の偏りを包括した学童期英語指導の体系化に関する研究
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17K04926
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
入山 満恵子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40389953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 祥平 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20452401)
加藤 茂夫 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70347368)
有川 宏幸 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (80444181)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小学校英語指導 / 統合的フォニックス / ジョリーフォニックス / 指導効果検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き、統合的フォニックスの教材の一つである「ジョリーフォニックス」(以下JP)で指導を受けた児童・生徒について年度はじめ、年度末に日本語・英語課題を実施した。特に2019年度からは、今まで対象となっていなかった小学3,4年生にもJP指導が入るとのことで、対象幅を広げての実施となった。事前の分析はできたものの、事後は年度末にかかったことで休校措置にあたり、未回収の状態である。前年度までの調査結果として、継続的にJP指導を受けてきた5,6年生の成績を中心に以下にまとめた。 1)一年間のJP指導後、両学年とも英語課題の有意な伸びが見られたことから、JP指導の有効性が示された。 2)特に5年生の伸びが著しく、年度末には英語「音かぞえ」「基礎音」課題で両学年の差はなくなり、「音比べ」では6年生の成績を逆転した。 3)日本語、英語課題の比較検討から、指導前の日本語の音韻認識や音操作効率が、指導後の英語における同様の処理の習得度合いを予測した可能性が示唆された。 4)一方で、全体的な課題成績は上昇したが、「英語課題が苦手な児童は、JP指導後もそのまま」の可能性も示された。 →つまり、「伸びにくい子どもたちの存在」についての更なる検証が必要である。担任との情報共有では、「伸びていない子どもの多くが英語に限らず、様々な学習に困難を抱えている」との指摘があり、これらの子どもたちの存在を早期に把握し、有効な指導に繋げることが重要と考える。今後、学年を下げての調査が一年間継続できることもあり、引き続き課題を実施しながらこうした子どもたちにも着目して伸びの様子を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト構成員と、現場の多大なご協力も頂戴して、調査はおおむね順調に進んでいる。また、当初対象外であった3,4年生および中学生にもご協力を頂いている状況である。一方で、年明けからの感染対策等による休校措置で、予定していた調査が2019年度末分、そして今年度2020年度分が実施できておらず、もし学校が再開できたとしても、カリキュラムの時間調整の都合等で調査継続が可能か、との点が最も大きな不安材料となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、昨年に引き続き新3,4年生を含めて継続的に調査は実施する方向で考えている。しかし、学校再開のめどが立っておらず、また再開後は学校の時間割等の都合で調査が可能かどうか、との見通しが不透明であるため、現場と十分調整して可能な限り、効果検証に繋がる課題の実施をさせて頂く方向性で考えている。 また、最終年度になるため、今までの成果を取りまとめる作業も併せて進めていく。
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Causes of Carryover |
研究内容に関する研修会の開催を予定していたが、講師を担当する予定だった研究協力者の健康上の理由により実施が見送られ、またそれに伴い予定していたアルバイト等の謝金分も未使用となった。今年度開催を予定してはいるものの、感染症対策等により対面での実現は困難なことも予想され、現在今後の予定も含めて検討中である。
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Research Products
(4 results)