2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of comprehensive assessment package which evaluate Japanese Sign Language abilities in Deaf children
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17K04930
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70322112)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日本手話 / 語彙 / 評価 / 理解 / 表出 / 文法 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国には客観的にろう児の手話力を評価できるテストバッテリーは、武居(2010)の「手話文法理解テスト」のみである。しかし、内外の手話研究者によって、ろう児の手話語彙や文法理解を評価できるテストがすでに開発されているため、これらの資料を収集し、日本手話版手話アセスメントパッケージ作成のアイディアを得ることを目的とした。 アメリカ手話やイギリス手話にはオンラインで評価できる手話語彙評価法があり、その内容や刺激語選択の方法、刺激語の難易度の測定法などについて、文献調査を行い、必要に応じて、メールでコンタクトを取り、情報収集を行った。特に参考になるものとしては、アメリカ手話とイギリス手話の語彙理解テストおよび表出を評価することのできる評価法(Wolfgang, Roy, and Morgan, 2015)や音韻、形態、文法、談話の4つの階層で評価できるオランダの総合的手話アセスメントツール(Hermans, Knoors, and Verhoeven, 2009)が挙げられた。 そのうえで、日本手話の語彙力を評価できるものとして、理解と表出の両方を評価できるテストを作成することとした。理解については、すでに日本語版語彙力評価法として確立している「絵画語彙検査」をベースにして、手話の写像性の要因を考慮した刺激語を再選択し、日本手話版絵画語彙検査を作成することとした。 また、表出を見るものとして、指定時間内に与えられた条件を満たす語彙をできるだけたくさんあげてもらい、その合計数で語彙力を評価する語彙流暢性検査の日本手話版を作成することとした。平成29年度には、日本手話版語彙流暢性検査が実際に使用可能なものになるかどうかを検討するためにパイロットスタディとして、成人ろう者4名に実際に行ってもらい、作成可能性について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で作成しようとする手話語彙評価法の具体的な形式がほぼ決定し、平成30年度には、日本手話の語彙理解と語彙表出を評価できるテストを試作していくところまで到達したため、おおむね順調に進展していると言える。ただ、本来平成29年度に海外の手話評価法作成者を訪問し、実際に作成した手話評価法を手に入れたり、作成方法についての情報を得たりする予定であったが、先方とこちらの日程の折り合いがつかず、平成30年度に延期になった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、日本手話の理解語彙を見るものとして日本手話版絵画語彙検査を試作し、また表出語彙を見るものとして日本手話版語彙流暢性課題を試作することを計画している。日本手話版絵画語彙検査を作成するには刺激語彙として何を用いるのかを、それぞれの手話語彙の難易度と写像性の程度を考慮して決定していく必要があり、平成30年度には刺激語の選択とディストラクターの作成を行う。 また、手話語彙の表出の側面を評価するものとして、日本手話版語彙流暢性検査の試作を平成29年度に行った。多少、変更すべき課題が見つかったため、その部分の修正、改良していくことで、手話の語彙流暢性課題を確定させ、成人ろう者に再度課題を遂行してもらい、平成30年度中におおよその標準値を得ることを計画している。
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Causes of Carryover |
平成29年度中に行う予定であった海外調査が、先方の都合により平成30年度にずれたため、海外調査に使用する予定分が平成30年度に持ち越しとなった。この金額で平成30年度中に海外調査を行う予定である。
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