2018 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の日常的な診療援助を可能にする看護師への教育プログラムの開発
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17K04933
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
坪見 利香 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (40452180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 敏子 椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (80515768)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害 / 外来診療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発達障害児の日常的な診療援助を可能にする看護師への教育プログラムの開発を目的としている。本年度はその2年目にあたる。発達障害児の日常的な診療援助を可能にするための「基本編」プログラムの開発・評価を行うために、2017年後期~2018年初旬に2回研修会を開催した。2018年度前半に受講者に対して事例検討会を2回計画し、参加を呼びかけ質問紙調査および面接調査を予定していた。しかし、設定した日時に参加協力が得られなかったためデータ収集が困難となった。先行研究から推察すると、診療所に勤務する看護師は、学習意欲は高いものの1回の参加である程度の学習ニーズが満たされたことで継続して学習するには負担があることが推測された。参加者の負担を考慮し今後のプログラムの日程設定や、構成について研修者間で検討した。今後は事例検討と併せて研修会を案内し、効率的に対象者をリクルートできるように修正することとした。 一方、「基本編」に加え診療科の特性を考慮した「診療科編」プログラム開発を目指し、障害理解教育の専門家に意見を求めつつ共同研究者と内容について検討を重ねた。各診療科での診察や処置内容(痛みを伴う処置、暗い診察室、顕微鏡の光刺激への対処など)をふまえた具体的な対応について場面の選定や、全体の構成について話し合った。「基本編」での実施経験より対象者の継続的なリクルートが困難であると判断し、「診療科編」のプログラムを研修会形式のみならず書籍化も含め他の方法を検討していくこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「基本編」研修会の受講者は一定数確保できたが、事例検討会への参加者が確保できなかったことにより研修プログラムの長期的な評価が困難であった。また、「診療科編」のプログラム開発については、「基本編」研修会の参加者からデータが得られなかったが、研究者間で検討を行った結果、研修会という形式で発信することはマンパワーの限界もあり別な方法で発信することを検討している。したがって、プログラムの一部見直しが必要となり、当初の計画より遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、事例検討を盛り込んだ研修プログラム構成とし、1回完結型で実践可能なプログラムの構築を目指し、実施・評価を行う。また、診療場面における具体的な対応について追加の要望があったことから、配布資料の内容についても再検討する。「診療科編」は、どの診療科を対象とするのか、またどのような支援を示すのか引き続き検討を重ねて具体化する予定である。
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Causes of Carryover |
研究が予定より遅れが生じたこと、研究対象者が確保できなかった。そのためプログラムの長期的な視点での評価ができず学会発表および執筆が予定通りできなかった。 引き続き、研修会の会場確保、実施のための補助要員、配布資料などに経費を使用する。また、「診療科編」を具体化するための打ち合わせ費用が必要である。
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