2017 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある子どもの不登校等二次障害に対応し予防する支援体制に関する実証的研究
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17K04936
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
武田 鉄郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50280574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新平 鎮博 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 情報・支援部, 上席総括研究員 (50171369)
西牧 謙吾 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 病院長 (50371711)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達障害 / 二次障害予防 / TRF / CBCL / TSCC-A / 質的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
病弱特別支援学校での調査による検証として、全国61校(平成27年度)の病弱特別支援学校に在籍する不登校等の適応障害のある児童生徒の実態と支援・指導の課題に関するアンケートを作成した。同アンケートにおいては,不登校の直接の原因やその発生時期,期間,経過について情報を収集するすると共に,教科指導、自立活動等の課題,病院や地域との連携の実態と課題についても把握することが目的である。 また、特別支援学校における事例研究の実施を行った。親用のCBCL,教師用のTRF,本人用のYSRを使用し,三者の立場から多面的に情緒や行動を評価した。事例研究は,特別支援学校の協力校3事例(中・高等部4例)を行った。「ひきこもり」「不安・抑うつ」「攻撃的行動」などに臨床域、境界域が多く見られた。また、TSCC-A子供用トラウマ症状チェックリストを用いて、心的外傷を抱えているかどうかをアセスメントし、さらに精神症状(不安感,緊張感,抑うつ感など)や身体症状(心理社会的因子による),不登校の直接の原因,経過等を分析した。発達障害のある子どもを育てている相談会(ホットルーム)において毎月1回相談会を実施し、1年間に150名の参加者があった。その相談内容を質的分析している最中である。 ベトナムの特殊教育センターへの視察は、ハノイ国家教育大学のNguyen Thi Cam Huong博士と連携し、3月に実施した。Anh Duong special education consultant Centerの責任者:Nguyen Thi Tu Anh, Ms, (MA of Special Education)と職員から二次障害のある発達障害の子どもの現状と課題について情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国調査を実施するアンケート作成、ASEBAによる適応/不適応及びTSCC-Aによる心的外傷の有無、ASEBAとTSCC-Aの結果分析を行った。また、ホットルームを月に1回開催し、不登校、ひきこもりなどの二次障害の実態とそのような状態からの改善の事例を質的に分析を行った。また、ベトナムのハノイ市にある特殊教育センターAnh Duong special education consultant Centerに実際に調査に行き、学校や病因等との連携の実際について情報収集し、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
全国調査の実施、引き続き事例研究や相談会を継続していく。また、ベトナムの特殊教育センターの調査・情報収集を継続し、地域支援のモデルを構築していきたい。
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Causes of Carryover |
平成29年9月にベトナムハノイ市、ホーチミン市の特殊教育センターの視察、情報収集を行う予定であったが、母の病気、死亡のため9月のベトナム行きは延期し、日程調整がつかず3月にハノイ市のみ視察に行った。そのために83,727円の繰り越し金が生じた。平成30年度は、繰り越し金をベトナムハノイでの調査と国際学会発表の滞在費とし、計画に沿って研究を推進していく予定である。
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Research Products
(6 results)