2021 Fiscal Year Research-status Report
高校における特別支援教育充実のための連携型システム・ツールの機能分析と開発
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17K04943
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
衛藤 裕司 大分大学, 教育学部, 教授 (00284779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 祥治 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (90251008)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発達障害 / 高等学校 / 外部専門機関(家) / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高等学校又は発達障害のある高校生又は特別支援学校高等部の生徒を対象に,令和2年度までに検討した各種システム・ツールの効果について,生徒本人による利用という視点から検討を行った。その結果,生徒本人が使用の長所を理解していても,必ずしもそれらのツールを利用しないことがあるということが明らかにされた。開発した各種システム・ツールは,発達障害のある高校生本人による障害理解教育からサービスマネージメント・スキルの獲得を重視した構成になっている。そのため,令和2年度の研究では,「日本の高校への導入は「体制整備も含めた『段階的な導入』が必要である」と考察したが,この段階の中で使用に関する本人の意思決定をどの段階にするのかは,倫理的・コスト的な点も含め,慎重に考えていく必要がある。本研究結果に関して,論文1件(分担執筆)及び日本特殊教育学会においてポスター発表1件の発表がなされた。 また,それらのツールによる結果を集約するツールとして「個別の教育支援計画」が考えられるが,この策定における学校側の立場は「援助」である。本人も交えた会議の立案・実施という体制をどのようにして行うのかということについて,作成義務のある「個別の指導計画」と重複する部分もあり,高校側・専門家側の負荷も高いことから,効率的なシステムの中で実施される必要があると考えている。 なお,米国・独国IEPにおけるコロナ禍での専門家との連携,データの「オンライン上での共有」について,令和3年度を通し,zoomによる海外動向の調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目的である「発達障害のある高校生のためのサービス提供」に必要な3つのツールについて,令和元年度までに作成及び作成後の使用を終え,データが収集された。その一部の結果については,令和2年度まで学会発表を行い,成果を公表している。しかし,令和元年度最後に国内外の学会において発表する予定に関しては,コロナ・ウイルス対策への対応のため,国内外の移動に度々,制限がかかり,参加を予定していた国際学会は結果的に,中止となった。そのため,令和3年度内まで1年間の期間延長を行い,補助事業延長申請を行ったが状況は改善しなかった。この間,専門家との連携において新たな動向が確認されたことから,zoomによる海外調査を行い,再度の補助事業延長申請を行った。このことを除けば,研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題において残されている研究計画は,学会における成果発表と検討のみである。令和4年度は,コロナウイルス対策への対応も含め,学会開催及びその方式が早い段階から示されている。ハイブリッドで実施される学会が多いが,成果発表と検討を可能な限り,対面で実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染対策への対応のため,予定していた国際学会発表・調査及び国内学会発表が延期又は中止されたため,未使用が生じた。そのため,令和4年度,改めて発表を行うための旅費(参加費・発表費含む)として使用する他,その後の論文作成のための消耗品費として使用する。
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Research Products
(2 results)