2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of support needs and support models according to the life stage of children with cochlear implants
Project/Area Number |
17K04944
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
佐藤 紀代子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (20734370)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工内耳 / 聴覚障害 / ライフステージ |
Outline of Annual Research Achievements |
聴覚障害児者の社会的自立に関わる支援アプローチは、長期スパンで対応する必要がある。そこで、本研究では人工内耳装用者における思春期から活動期の成人への移行に着目し、社会的自立のためにライフステージごとの支援ニーズを明確し、支援モデルを構築することを目的とした。 幼児期に人工内耳手術を施行し、大学、就労段階にまで成長した装用者にインタビューを通して、これまでのライフステージごとの問題点、必要と考えられた支援を抽出した。さらに、これらの結果をもとに支援モデルを考察した。 この結果、思春期以降、および就労段階となるとコミュニケーションの問題が明らかとなった。特に、多数の人との会話になると、人工内耳装用であってもコミュニケーションが円滑に進むとは限らないことが示された。しかし、1対1の会話、音への気づきがよいことが、逆に誤解を生むことが多く、人工内耳装用児者の状況が正しく理解されていないことが考えられた。そして、個々の聴覚障害児者のコミュニケーションの状況は、様々な様相がみられた。特に、聴覚障害の条件が同じでも、周囲の聴覚障害への理解の状況によって当事者の社会参加の状況が異なっていた。 一方、これらの状況に対する当事者の受け止め方は様々であり、学童期以降からコミュニケーション上の疎外感は感じている場合が多く、周囲に向けての行動をあまり起こさない場合も見受けられた。一般社会への啓発が重要になると考えられたが、だれが、どのように行っていくかについては、今後の課題になると思われた。
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Research Products
(2 results)