2019 Fiscal Year Research-status Report
日本語書字障害は正しく診断できているか?「日本語書字の乱れの診断法の確立」
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17K04958
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
島川 修一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40465620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 美保 大阪医科大学, 医学部, 特別職務担当教員(助教) (70782241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 書字のみだれ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、現在本邦にない書字のみだれの評価バッテリーを新たに作成することである。 平成31年度はバッテリー作成のためのデータ収集をおこなった。対象は一般校に通う小学2年生から6年生までの1500名で、書写課題をもちいて、書字のみだれを評価した。書写課題は読み書き検査バッテリーURAWSSを参考にした。評価方法については、以前と同じ、設定時間内に書写できる文字数、縦線からの両側はみ出し、字の縦横比と実際の書字の縦横比の差、文字の大きさとして①同じ文字(小3なら「あ」「な」「い」各×2、小4なら「た」×3)で大きさの差、②違う文字でも、字の大きさの差を評価して、乱れの評価となるか否かについて評価している。結果については、手作業での測定には、時間を要することと、評価者によって差が生じやすいことから、専用アプリを開発し、計測を自動化した。 どのような文字の特徴が、「みだれた字」と判断されるかも客観的な指標が現在ない。「みだれた字」にも各種あるという仮説のもとに、学校教員に、書写課題に対して、①読みにくさ、②読む努力の必要性、③レイアウトがととのっていない、④文字の形画のばらつき、⑤修正の頻度について評価していただき、各項目について、前記した評価方法で分析された客観的な数値の程度を算出することにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精度と効率性を高めるため、複数の評価者の手作業による分析から視写分析ソフトを開発使用する分析法に変更し、結果報告が遅れたため、補助事業期間を延長した。現在は、書字のみだれの評価方法が確立した。特に、字の評価についてはアプリを用いて客観的な評価をもちいることになった。データ分析を行い、書字のみだれの評価バッテリー作成のめどがたった。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに小学生からはデータを収集したので、データ分析を行い、書字のみだれの評価バッテリーを作成する。
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Causes of Carryover |
データ分析を行うため期間延長をおこない、研究費を繰り越した。教員への謝金とデータ分析のための研究助手に対するバイト料が次年度まだ必要なため、残金を充てる予定である。
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