2017 Fiscal Year Research-status Report
介入整合性を指標とした特別支援教育コーディネーターの機能向上に関する実証的検討
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17K04968
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
若林 上総 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研修事業部, 主任研究員 (10756000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 哲文 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (90224518)
遠藤 愛 星美学園短期大学, 幼児保育学科, 准教授 (80641745)
神山 努 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研修事業部, 研究員 (50632709)
半田 健 宮崎大学, 教育学部, 講師 (90756008)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 実証的研究の不足 / コーディネーターの支援プロセス / コーディネーターの課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
教師の指導の実行性を高めるコーディネーターの活動について、日本特殊教育学会、日本LD学会の参加を通じて情報収集を行った。合わせて、関連する文献のレビューを進め、その内容について研究分担者と協議した。この結果、我が国では、コーディネーターの活動に関する研究は調査研究が中心で、活動を充実させる要因を実証的に検討した研究の実施はこれからだということが示唆された。 次いで、コーディネーターの活動に関するインタビュー調査を行った。調査には、15校16名のコーディネーターが参加した。インタビューは逐語化し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づいたデータ分析を行った。結果からは、特別な教育的ニーズのある児童生徒の指導が予め立てた計画に沿って実施される際のコーディネーターの支援プロセスが整理された。特に、効果的な支援の実施には、学級担任や教科担当に対するコーディネーターの支援を量的にも、質的にも充実させる必要性が考えられた。 2年目に行うコーディネーターの活動の充実にかかる実証的検討に向けては、インタビュー調査への協力のあった学校等と、研究実施の可能性について協議した。研究期間の1年目が終了した時点では、幼稚園1校、小学校1校、中学校1校、高校2校との協働が進んだ。特に、協議の中では、各校・園に在籍する特別支援教育コーディネーターの活動の充実にかかる校内の課題整理を行った。今後は、各校・園にある課題の改善を通して、コーディネーターの活動の充実を量的に測定し、それが教師の指導の充実、さらには子供の行動変容に影響を及ぼしているかどうかを検証する。具体的な研究計画はすでに立案され、2018年5月までには、所属機関での倫理審査を受け、順次計画に基づき研究を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会での情報収集や、文献研究が進み、コーディネーターの活動充実に影響を与える要因の整理には目途が立っている。実地調査についても、研究分担者と協力し、12校13名のコーディネーターから活動を充実させる要因をインタビューした。インタビューで得られた音声データは逐語化を終え、現在はその分析を進めている。 2年目に予定しているコーディネーターの活動の充実にかかる実証的検討の準備については、インタビュー調査への協力のあった学校等と、研究実施の可能性を協議し、すでに幼稚園2園、小学校1校、中学校1校、高校2校から研究協力の内諾を得ている。協議を通じて、各校・園に在籍する特別支援教育コーディネーターの活動の充実にかかる校内の課題整理も進んでいる。今後は、各校・園にある課題の改善を通して、コーディネーターの活動の充実を量的に測定し、それが教師の指導の充実、さらには子供の行動変容に影響を及ぼしているかどうかを検証する。具体的な研究計画はすでに立案され、2018年5月までに、所属機関での倫理審査を受ける。審査が終了し次第、順次計画に沿って研究を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
各研究協力校・園での実践の進捗管理が課題となる。計画に沿った実践を進めるためには、計画導入時の各研究協力校・園の理解が必要となる。十分な理解のもとで実践を進めてもらうために、計画の説明を丁寧に行う。研究の進捗とともに、各研究協力校・園のコーディネーターの活動充実について、行動上の指標を定め、適切にモニタしていくが、妥当な方法が選択できるよう、研究分担者との協議や情報交換を細かく行う。 研究全体で5校・園からの研究協力を得ることからは、各校・園で進める研究それぞれの妥当性を担保するために、収集したデータの整理を逐次行い、研究分担者との共有を細かく行う。さらに、適宜学会発表の機会を設け、研究の妥当性に関する議論を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
当初、国際学会での情報収集を予定していたが、本務での渡米による情報収集を実施したことと、2年次の準備等に時間を要したことから、国際学会への参加を見合わせたため、次年度使用額が0を超えた。この助成金は、2年次以降での国際学会参加のために用いる計画である。
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