2017 Fiscal Year Research-status Report
Collaborative data management environment for large scale atomic simulations of cluster impact
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17K05003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 学聡 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (90402974)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 原子衝突シミュレーション / オープンデータ化 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学反応を含む原子及びクラスター衝突現象を, 汎用の分子動力学シミュレータ(LAMMPS)で解析するための諸条件を検証した. 申請者らは従来独自のプログラムを開発し, 同系の衝突現象のシミュレーションを実施してきたが, 今後のパフォーマンスの向上や, 他のシミュレーション手法との連携等の展開を考慮すると, LAMMPSに代表される汎用のシミュレーションシステムへの移行が必須である. しかしながら, 原子衝突現象では, 静的な系に比べ, 原子同士が著しく接近する機会がある. このような状態を正しくシミュレートする為, 現在利用可能なポテンシャルモデルの精査を行い, 既存モデルからの拡張に必要な要件を整理した. 一方シミュレーション結果を中心とした, 原子衝突にまつわる諸現象を適切に整理し, オープンデータとして広く利活用を進めるための共通基盤となる, 基本的なデータ(メタデータ)の要件の検討を進めた. 原子衝突現象を記述する為の材料系, エネルギー, 照射量等最小限必要な要件がまとめられたデータセットとして, 現在広く利用されている原子衝突ソフトウェアであるSRIMの入力データを基盤とすることを提案した. SRIM入出力データを中心とした情報流通基盤を実証を進めるために, 同ソフトウェアの入出力ファイルを現代的なデータフォーマット形式に変換するためのツール, 及びプラットフォーム非依存のデータ入出力ソフトウェア等を整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Si-F系のクラスター衝突シミュレーションをLAMMPS上で実施することを想定していたが, この材料系の衝突に適応したポテンシャルモデルが実装されておらず, 本研究において実装を進める必要が生じた為, 本年度は予備的なシミュレーションの実施にとどまった. シミュレーションデータをはじめとする原子衝突に関わるデータの共通化については, 最も基本的かつ広く知られているシミュレーションソフトウェアの入出力データを中心とする提案, 並びにこのデータ形式を多様な方式で取り扱えるようにする等, ある程度の進捗を見た.
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Strategy for Future Research Activity |
汎用的な分子動力学シミュレーションプログラム上でのクラスター衝突シミュレーションについては, 対応可能なポテンシャルモデルの実装を速やかに済ませ, 具体的な衝突シミュレーションの実施, 大規模データの収集に取り掛かる. 一方, 収集した大規模座標データのマネジメントモデルについては, SRIMをベースにした基本データセットに対するより明確な定義付けを進めるとともに, クラスター衝突シミュレーションに適応させる為の拡張方法を提案, 実装を行う.
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Causes of Carryover |
海外での国際会議参加を予定していたが, 校務との関係により適切なスケジュールが確保できなかった. この金額は翌年以降も国内外旅費に充当する予定である.
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Research Products
(2 results)