2017 Fiscal Year Research-status Report
A study of two-dimensional array manipulation technique and single-cell isolation using two-dimensional micro-concave mirror array and Koehler illumination
Project/Area Number |
17K05020
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松谷 晃宏 東京工業大学, 技術部, 主任技術専門員 (40397047)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロ凹面鏡 / エッチング / 単一細胞分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
単一細胞操作は,創薬・医療分野や細胞の機能の解析への応用では重要な要素技術となる。これまでに,マイクロピラーアレイ構造のマイクロ囲いを開発し,大腸菌や酵母の単一細胞分離及びサイズ分離に成功した.この単一細胞分離構造にマイクロ凹面鏡を組み合わせれば,光でトラップする細胞操作機能も加えることが期待できると考えている.そこで29年度の研究では,XeF2気相エッチングによるSiマイクロ凹面鏡の製作を行った. 実験にはSi(100)基板を用いた。電子線レジストZEP520にEBリソグラフィにより形成した直径5マイクロメートル以下のアレイ状の円形開口のエッチングマスクパターンを用いて,自作のXeF2気相エッチング装置でSi基板の等方性エッチングを行い,直径40マイクロメートルの半球形状のマイクロ凹面鏡を形成した.金属顕微鏡のケーラー照明下で観察したマイクロ凹面鏡の様子は,凹面上部(基板表面),焦点位置,凹面底部で特徴をもって観測された.集光点とみられる位置では,表面や底面とは明らかに異なる集光スポットを観察することができ,本手法で製作したSi凹面構造が,マイクロ凹面鏡としての集光機能を有することがわかった.また,本マイクロ凹面鏡構造表面にAl薄膜をスパッタにより成膜し,Si基板表面よりも反射率を向上させることを確認した.XeF2気相エッチングではエッチング面の粗さが大きいが,平滑化プロセスについても検討を行っている.また,2段階エッチングによる凹面形状の制御を行い,本手法により放物面形状の製作が可能であることであることもわかった.さらなる集光効率の向上ができれば,生物学的な分析研究にも応用可能になると考えらえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,自作のXeF2気相エッチング装置でSi基板の等方性エッチングを行い,半球形状のマイクロ凹面鏡を形成した.直径40マイクロメートルのマイクロ凹面鏡を金属顕微鏡のケーラー照明下で観察したマイクロ凹面鏡の様子は,凹面上部(基板表面),焦点位置,凹面底部で特徴をもって観測された.集光点とみられる位置では,表面や底面とは明らかに異なる集光スポットを観察することができ,本手法で製作したSi凹面構造が,マイクロ凹面鏡としての集光機能を有することがわかった.また,本マイクロ凹面鏡構造表面にAl薄膜をスパッタにより成膜し,Si基板表面よりも反射率を向上させることも確認した.XeF2気相エッチングではエッチング面の粗さが大きいが,平滑化プロセスについても実験を行っている.また,2段階エッチングによる凹面形状の制御を行い,本手法により放物面形状の製作が可能であることであることもわかった.現在,集光効率の改善を検討・実施中であり,粒子の捕獲には現時点では未実施であるものの,マイクロ凹面鏡の製作及び形状制御については,本研究の計画の通りの成果が概ね得られたと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
30年度に予定している2次元アレイ凹面鏡とマイクロ囲い構造を組み合わせたチップの製作方法の開発については,上記手法とマイクロ囲いアレイを用いたサイズ毎の単一細胞分離の融合を目標とし,メッキとレプリカ製作による量産化手法について検討する.マイクロ凹面鏡を製作したSi基板をベースに用いて2次元アレイマイクロ凹面鏡とマイクロ囲い構造を組み合わせたチップの製作を目標とする.これまでマイクロ囲い構造の製作には半導体プロセス(リソグラフィとドライエッチング)を用いてきたが,広く応用展開するには,研究者自身がテーブルトップで必要な数だけチップを製作できればたいへん効率的である.したがって,なるべく簡便に製作可能な方法の確立を目指す.石英ビーズ等で原理実験を行った後,酵母を用いて実際の使用環境における検証を行う予定である.
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Causes of Carryover |
当初予定していた国際会議ではなく,マイクロ凹面鏡形成のプロセス技術の成果発表の場所としてよりふさわしいと考えられる国内開催の国際会議にて発表を行ったため,参加費や旅費分が差として生じた.次年度にはこれを成果発表やプロセス技術で必要となったガスや除害薬剤の購入に充てる予定である.
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