2018 Fiscal Year Research-status Report
Research on fabrication technology of micro-lens arrays utilizing cross section profile control of thick resist patterns
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17K05021
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
堀内 敏行 東京電機大学, 工学部, 研究員 (00297582)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロレンズ / レンズアレイ / レンチキュラーレンズ / 2画面切り替え / 投影露光 / リソグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
ネガレジストにラインアンドスペースパターンをぼかして露光し、蒲鉾型に密接したパターンを形成してレンチキュラーレンズアレイに応用する研究に関しては、50μmラインアンドスペースを用いて石英基板上に厚膜レジストSU-8で形成したパターンをレンチキュラーレンズアレイとして用い、2画面切り替えができるかどうかを検証した。りんごの絵の上に50μmラインアンドスペース黒乳剤レチクルを重ね、その上に石英基板上に形成した蒲鉾型に密接したパターンを重ねた結果、視点を置く位置(方向)により、りんごの絵と黒一色画面が切り替わった。 低開口数投影露光装置を用いて、凹面レジストパターンを形成し、エポキシ樹脂を流し込んでマイクロ凸レンズアレイを作る研究については、前年度、ピッチ47.4μmのレンズアレイを約2mm角の範囲に製作できた。また、レンズの中央部を凸円弧、周辺部を凹円弧で近似し、その間を共通接線で結ぶと形状をほぼ近似できることが分かった。そこで、レンズアレイに平行光束を入れる場合の光線追跡を行い、光束が光軸上で最も密になる位置を求めた。その結果、ほぼその位置に実際に光スポットアレイができることが分かった。そのため、今年度はレンズ評価の結果をまとめ、一段落とした。 一方、ステンレス板にドットレジストパターンを形成し、それをマスキング材としてウェットエッチングすると、アンダーカット現象によりドットパターンの周辺部が周囲からの距離に応じてエッチングされ、凸レンズ状の突起が形成されることが新たに分かった。形状精度と表面粗さがレンズのモールドとしてそのまま利用するには不十分であるが、追加工より改良できる余地は十分ある。一方、その緩い凸レンズ状の突起群がステンレス板の撥水性に影響するという新しい知見も得られた。両方の観点で新しい研究に発展する可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
科研費申請時における3年間の研究期間内の到達目標として、(1)高精細レンチキュラーレンズアレイの開発と(2)高密度プラスチック凸レンズアレイの開発を目指したが、2年度目の平成30年度までの期間に、その到達目標にほぼ到達することができた。加えて、当初は計画していなかったマイクロレンズアレイの製作技術や関連技術を幾つか思い付き、新たな研究に展開するきっかけを作ることができた。そのため、「当初の計画以上に進展している。」と自己点検による評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
科研費申請時に掲げた3年間の研究期間内の到達目標はほぼ達成できたが、高精細レンチキュラーレンズアレイの開発において、露光フィールドをつないで大フィールドとすることが残っている。しかし、広い均一照射範囲の光源と露光フィールドの大きい投影レンズを用意すれば同じことを達成できると考えられ、研究の達成効果が低い。また、本研究とは別に検討してきた、屈折率分布型レンズアレイを投影レンズとして用いる走査投影露光により、15μmライン&スペースパターンを本研究で露光フィールドをつないで達成する目標としていた50mm角の露光フィールド内に形成できることに成功した。そのため、余計、研究の達成効果が低くなった。 一方、当初は計画していなかったマイクロレンズアレイの製作技術や関連技術を幾つか思い付いた。そのため、露光フィールドをつないで大フィールドとすることに関しては、計画を中止し、残り1年のマンパワーを新たに見出した新しい関連研究に投入したいと考えている。 具体的には、円形レジストパターンをステンレス板の表面に形成してエッチングし、アンダーカットを大きくすると緩い凸レンズ状の形状ができ、撥水性が向上することが分かったので、定量的に効果を検証する。また、エポキシ樹脂を流し込んでマイクロ凸レンズアレイを作るために使う凹面レジストパターンを密に形成する新たな技術として、液晶マトリックス投影露光によるグレースケール露光が有用ではないかと考えている。短波長光が使えないという短所はあるが、可能性を実験により検討してみたい。 また、これまでに多くの成果が得られており、すでにある程度は成果を公表したが、期限内に残りの成果もできるだけ文書化、公開すべく努力したい。論文、国際会議、国内学会に積極的に投稿、発表する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として残したのは1,629円であり、予定額をほぼ全額使用した。 科研費申請時において、3年目も研究費が必要と予測し、物品費として460千円、旅費として430千円、その他として110千円、合計1,000千円を直接経費として計上していた。次年度使用するのはこれらの予算である。当初の計画以上に進展して成果が出ており、論文、国内学会、国際学会に公表したいと考えている。物品費とその他を節約して旅費の増額が必要になると考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Applications of photopolymer resists to direct fabrication of three-dimensional micro-structures2018
Author(s)
Toshiyuki Horiuchi, Noa Kobayashi, Yuta Morizane, Ryunosuke Sasaki, Maiko Kurata, Satoshi Miyazawa, Kouta Shimizu, Hiroshi Kobayashi, Akira Yanagida
Organizer
Polymer World Congress 2018, Stockholm, Sweden
Int'l Joint Research / Invited
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