2018 Fiscal Year Research-status Report
揺らぎ制御可能な自己組織化超分子系の探索とその制御メカニズムの解明
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17K05025
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
佐藤 信一郎 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10262601)
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2017-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 自己組織化 / ポルフィリン / 二量体 / 三量体 / 四量体 / 分子動力学 / TDDFT |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度のPor-COORダイマー結果をもとに以下の点について研究を進めた。
（１）Por-COORダイマーの可視紫外吸収スペクトルの励起子分裂の遷移強度が実験と計算でずれてしまっていた点について、検討をおこなった。その結果、振動子強度汎関数依存性があること。カルボニル部位の些細な構造の相違が遷移強度に影響を及ぼすことを見出した。29年度にくらべると実験と計算値のズレを少なくすることに成功した。
これらの結果について、国際学会（ICCC2018、仙台）において招待講演をおこなった。現在、投稿論文準備中である。
（２）Por-COORの3量体と4量体について分子動力学シミュレーションにより熱力学的安定構造を検討した。その結果、三量体と四量体は不安定であり二量体＋単量体もしくは、二つの二量体として存在することがわかった。この結果はTEMによる観察で大きな凝集体を生成しないことを裏付ける結果となった。
（３）アルコール水混合溶媒中のPor-COOR 2個とフラーレン誘導体1個のドナーアクセプター系について、分子動力学シミュレーションをおこない熱力学安定構造について検討した。予想に反して、ポルフィリンは2量体として安定に存在せず、フラーレンを挟んだサンドイッチ型構造のみが安定となった。
（４）（３）の結果を受けて、ポルフィリン2個をアルキル鎖（炭素数3～10）でつないだ系の熱力学的安定性の検討を開始した。自己組織化と比べてポルフィリンの面間距離が長い構造が多くより短い面間距離の構造を探索中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
29年度に問題となった励起子分裂の振動子強度比についてはおおむね解決をみた。
この時点で一区切りついたので投稿論文準備中である。しかしながら、アクセプター（フラーレン誘導体）を加えた系の熱力学的安定構造は予想に反して、2個のポルフィリンがフラーレンを挟むサンドイッチ構造となった。この構造ではドナーとなるポルフィリン2量体構造が出来ないために、計画していたドナー準位の揺らぎ制御が出来ない。そのために当初計画していた完全自己組織化を諦め、2個のポルフィリンをアルキル鎖でつないだ系の検討をおこなうこととした。
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| Strategy for Future Research Activity |
2個のポルフィリンをアルキル鎖でつないだ系の検討を引き続きおこなう。
また、光電池特性の評価をおこなうためのプログラムとして、当初予定していたSmeagolにかわり、ASCOTの導入をおこなう。
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