2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel pyroelectric materials with ultra-high sensitivity
Project/Area Number |
17K05031
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
符 徳勝 静岡大学, 工学部, 教授 (30422546)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 焦電性 / 強誘電性 / 赤外線センサー / PMNーPT / リラクサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、広範な帯域の波長に利用でき、かつ大きな焦電係数を持つ新規熱型赤外線センサ材料焦電体を開発し、赤外線センサの超小型化・高感度化を実現することを目的とする。その目的を実現するために、(1-x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-xPbTiO3 ((1-x)PMN-xPT)リラクサー強誘電体を対象として研究開発を行なっている。2017年度にはx=0からMPB境界組成までのPMNーPTセラミックスを作製し、センサーを機能するための分極処理の条件や試料の室温付近での焦電特性を明らかにした。また、室温において、PMNーPTは優れた焦電特性を持っていることが分かった。更に圧電性の最大値を示すMPB(x~0.35)の組成ではなく、これより低い組成x=0.15付近に最大値を示すことも判明した。 2018年度では主に(1-x)PMN-xPTセラミックス焦電材料の使用温度範囲を調査した。x=0~0.4組成範囲のセラミックスを用いて(1-x)PMN-xPTの誘電率温度依存性を測定し、焦電材料として使用可能な温度範囲を調べた。以下の結果を得られた。誘電率の温度変化よりTcを決定し、Tcと組成の関係を明らかにした。すなわち、(1-x)PMN-xPTセラミックスは焦電材料として利用される際に使用可能な温度範囲を解明した。これらの結果は今後焦電セラミックスセンサーの作製や設計に最も基礎的なテータになると思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は、2018年度では主に (1-x)PMN-xPTセラミックス焦電材料の使用温度範囲を調査することであった。研究は完全に予定通りに実施し、研究目標を達成できた。研究の対象であるx=0~0.4組成範囲のセラミックスを用いて-240°C~200°Cの広範な温度範囲において誘電率及び焦電の温度依存性を明らかにした。その結果、(1-x)PMN-xPTの相図を決定出来た。すなわち、(1-x)PMN-xPTセラミックス焦電材料の使用可能な温度範囲を判明した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通りに研究を遂行して行く. 2019年度では(1-x)PMN-xPTセラミックスの焦電センサーとしての基本性能指数を調査する予定である。焦電センサの応用には、電流性能指数Fi他に, 電圧性能指数Fvと検知性能指数Fdを明らかにする必要がある。焦電センサの性能指数を決定するには、材料の焦電係数の他に、誘電率、誘電損失、熱容量等の基本物理特性のテータが不可欠である。そのため、(1-x)PMN-xPT各組成の焦電係数、誘電率、誘電損失、熱容量及びその温度変化を調査することを計画している。
|
Research Products
(15 results)