2022 Fiscal Year Annual Research Report
Defect engineering and exploration of new function for graphene
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17K05053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤本 義隆 九州大学, 工学研究院, 特任准教授 (70436244)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グラフェン / カーボンナノチューブ / 輸送特性 / 第一原理電子構造計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グラフェンの新奇な物性の発現とそれを用いた電子デバイスへの応用を目指した研究を行ってきた。具体的には、以下の様な研究を展開した。単層グラフェンの不純物吸着特性と輸送特性に関する研究を行った。結果、輸送特性は、吸着不純物の種類に依存して変化することが分かった。そのため、特に有害物質である窒素酸化物に関して、グラフェンは、センサーデバイス材料として有効に機能することが分かった。また、二層グラフェンでは、積層構造と輸送特性の関係性を調べた。その結果、積層構造に依存した特有の輸送特性が現れることが明らかになった。また、グラフェンの曲率の効果を調べるため、ナノチューブの研究を展開した。結果、曲率が大きいほど、不純物の吸着特性が向上する傾向があることが分かった。このことは、グラフェンでは検知が難しい不純物を、グラフェンを曲げることにより、検出が可能になることが期待される。最終年度では、現実に近い状況下でのセンサーデバイスの輸送特性に関する研究を展開した。グラフェンの曲率の効果を考慮するために、モデルとしてカーボンナノチューブを用いた。また、現実的な環境を考慮するために、ナノチューブに周期的にホウ素をドープしたモデルを取り扱った。その結果、ナノチューブへホウ素をドープすることで、p型半導体の輸送特性が出現することが分かった。また、一酸化炭素分子や酸素分子が吸着した場合、伝導度が吸着した分子の種類に依存して変化することが分かった。そのため、ホウ素ドープされたカーボンナノチューブは、一酸化炭素や酸素のセンサーデバイス材料として、有用であることが期待される。
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Research Products
(4 results)