2018 Fiscal Year Research-status Report
Material design of group-IV alloy monolayers using bond engineering concept
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17K05056
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
秋山 亨 三重大学, 工学研究科, 准教授 (40362363)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 混晶 / 混和性 / 電子状態 / トポロジカル絶縁体 / III-V族 / 2層ハニカム構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、混晶原子層物質の形成可能性に関して、主に化合物半導体を対象とした検討を行った。特に窒化物半導体(ホウ素を含むBAlNおよびBGaN混晶)に注目し、Ag(111)成長基板の構造安定性および電子状態におよぼす影響を第一原理計算に基づき検討した。Bを除く窒化物半導体においても、膜厚が薄い場合ではバルク状態では準安定構造であるヘキサゴナル構造が安定となることが確認された。また、これらの系においてはAg(111)基板による影響がなく、15分子層(ML)以下の膜厚においては原子層物質が形成し、Bを含む混晶原子層物質においてはその混和性がBの組成に依存することを見出した。さらに、他のIII-V族およびII-VI族化合物半導体に対しても原子層物質の形成可能性を検討し、この場合はグラフェンや窒化物とは異なる2層ハニカム(DLHC)構造が形成され得ることを見出した。第2周期元素ではグラフェン的な平坦な構造となるものと考えられるものの、SiCにおいてはDLHC構造が安定となることから、DLHC構造の物的起源は単に元素の周期のみでは説明できず、イオン性も関係するものと考えられる。 これら原子層物質の物性予測および特異な電子状態の探索に関しては、DLHC構造においてトポロジカル絶縁体と判断され得るバンド構造を持つ物質(GaAs,InAs,InSb,GaSb等)が見出された。今後の詳細および系統的な検討によりDLHC構造における特異な物性が提案可能な状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の検討課題としていた成長基板の影響について一定の成果を収めており、次年度の検討課題としている物性予測に関してもすでに予備的成果を収めている。
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Strategy for Future Research Activity |
IV族系原子層物質に加えIII-V系原子層物質の構造と電子状態を対してもより系統的な検討を行う。特に、III-V族系およびII-VI族系の原子層物質においては、本年度において特異な電子状態の出現が期待できることが判明した。このため、今後はこの系に注目した詳細な解析を行う予定である。スピン-軌道相互作用を考慮した第一原理計算も実行し、DLHC構造におけるトポロジカル絶縁体の形成可能性に関する検討を行う。また、デバイス応用の観点かDLHC構造を用いた新規デバイス創成に対する検討も行う。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた海外出張を学内業務により取りやめたため、次年度使用額が発生した。次年度の海外出張旅費として使用する予定である。
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Research Products
(18 results)