2018 Fiscal Year Research-status Report
Measurement of mean residence time of physisorbed hydrogen and deuterium
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17K05062
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
荒川 一郎 学習院大学, 理学部, 教授 (30125976)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 物理吸着 / 吸着等温線 / 平均滞在時間 / クライオポンピング / 極高真空 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.クライオスタット内に取り付けてあるシリコン温度計の動作が不安定であったため,修理・交換した.購入したMetalシール(金箔)はクライオスタットの液体ヘリウムポット部のシールに使用するためのものである.修理完了後,動作を確認した.あわせて,試料面に入射する電子ビーム電流をモニターできるように電極を追加するなど装置の改良を行った. 2.2018年6月にジュネーブで開催された欧州真空会議(EVC-15)にて,以下の発表を行った.K. Kawahara, Y. Inana, T. Ohtaki, A. Hirai, K. Yamakawa, and I. Arakawa, "Measurement of the adsorption isotherms and the mean residence time of hydrogen and deuterium physisorbed on a cold copper surface" 3.以下の論文を発表した.河原幸太,加藤勇樹,久保田康介,山川紘一郎,荒川一郎,表面と真空 61巻 (2018) pp. 533-538,「極高真空領域における物理吸着研究装置の開発」 4.銅表面に吸着した重水素の平均滞在時間の測定を継続している.ほぼ単一の平均滞在時間で近似できる吸着密度領域と,吸着密度の変化に伴って平均滞在時間が大きく変化する領域が見いだされた.二次元凝縮など吸着状態が変化する現象が関わっていると考えられ,その解明を目指して実験を進めている. 5.上記の研究成果は2019年7月にスウェーデンのマルメで開催される国際真空会議(IVC-21)で発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クライオスタット内のシリコン温度計の不調のために実験内容に制限があったこと,及びその修理のために2ヶ月ほど実験の空白ができ,そのため予定していたヘリウムの吸着の実験に着手できなかったことが,やや遅れていると判断する理由である.しかし限られた実験の中で重水素の吸着については興味深いデータが得られていることもあり,今後は順調に進展すると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
水素,重水素,ヘリウムについて系統的に実験を進める.しかし時間が限られていることもあり,優先順位は当面は重水素>ヘリウム>水素と考えている.
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Causes of Carryover |
実験装置の改修に必要な部品・装置が予想より少なかったため若干の使用残が生じた.次年度は試料気体の購入,学会発表旅費として使用する予定である.
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Research Products
(4 results)