2019 Fiscal Year Annual Research Report
Spatio-temporal control of ultrashort optical pulses based on hyper-spectral control of light waves
Project/Area Number |
17K05069
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山根 啓作 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50447075)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超高速時空間制御 / チャープ / 超短光パルス / 空間光変調器 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、2018年度に引き続き主としてサニャック干渉計型光学系を用いた時空間制御光波の発生について研究開発を行った。既にチャープパルス対を用いた独自の光波制御法により光の強度分布を方位方向にsub‐THz域で回転制御可能であったが、動径方向についても制御性を追求した。最も単純な制御法では、強度分布は中心と外周との間を振動的に行き来することになり、応用が限られる。そこで重ね合わせる光波の1つに対して適切なダイバージェンスを与えることで外周から中心へ1方向に強度分布を超高速制御することに成功した。こうした制御性の向上により物質をビーム中心付近に収集するなどの機能性を与えるなどの応用展開も期待できる。さらにこの技術を偏光に対して適用することにより、直線偏光の偏光方位を超高速に回転させることにも成功している。特にこの光波は直線偏光と円偏光の中間状態とも捉えることができ、新しい応用研究の道を開くことが期待できる。以上、本研究開発によって様々な光波状態の超高速制御を高精度で行える柔軟性の高い光学系を実現することに成功した。 また高繰り返し超短光パルスファイバーレーザーの開発については2019年度も引き続き開発を行ってきたものの、コム間の分離精度及びコムのコントラスト(50 %程度)が低くく、コム成分を独立かつ高精度に操作することが困難であることがわかった。一方で、並行して電気光学変調器を用いた光周波数コムについても検討し実験を行ったが、温度変化等の影響により、発生されたコムスペクトルは長期安定性に欠けることが確認された。コムスペクトルの分離性、安定性は本研究開発において非常に重要であり、高繰り返し超短光パルスファイバーレーザーについては課題を残すこととなった。 以上、一部課題を残すこととなったが、光波の強度分布を超高速かつ柔軟に制御するための新しい技術の基盤の確立を進めることができた。
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