2018 Fiscal Year Research-status Report
Storage and retrieval of electromagnetic waves with metamaterials exhibiting true electromagnetically induced transparency effect
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17K05075
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
中西 俊博 京都大学, 工学研究科, 助教 (30362461)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | メタマテリアル / 電磁誘起透明化 / 電磁波の保存と再生 / 非線形光学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
これまでの、電磁誘起透明化メタマテリアルを用いた電磁波の保存と再生に関して論文にまとめた。論文では、電磁波のエネルギーだけではなく、位相情報も保存していることを明らかにした。
この成果をさらに発展させ、電磁波の保存時と再生時に必要な制御用電磁波(コントロール波)の周波数や位相を変調することで、再生される電磁波の周波数と位相を変調する方法を研究した。実験においては、メタマテリアルを開放型導波路に設置し、透過電磁波の時間波形を高速オシロスコープで測定した。コントロール波は保存時と再生時で周波数もしくは位相を変える必要があるため、位相同期した2台の信号発生器を用いた。電磁波の保存と再生実験に先立ち、無変調のコントロール波を用いて透過測定を行い、コントロール波の周波数と、透明化帯域の関係を調べた。その結果を利用し、2種類の保存・再生実験を行った。
保存時と再生時でコントロール波の周波数を変えることで、再生波の周波数が入射前の周波数からシフトすることが分かった。そして、そのシフト量は、コントロール波の周波数変調幅とおおよそ一致するが、これに非線形な周波数シフトが付与されることが分かった。
次に、保存時と再生時でコントロール波の位相を変えることで、再生波の位相が入射前の位相から理論どおり変化することが確認された。
これらの成果は、提案したメタマテリアルが原子系の電磁誘起透明化現象と同じ性質を持つ証拠であり、本研究の主眼である、人工原子系による電磁誘起透明化現象の実現を裏付けるものとなる。また、電磁波の効率的周波数変換や波面制御への応用につながる成果といえる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の予定通り、電磁波の保存時と再生時に制御用電磁波(コントロール波)の周波数や位相を変調することで、再生される電磁波の周波数と位相を変調する方法を研究した。周波数変調実験に関しては、当初の予定通り実験を行い、想定通りの結果を得た。位相変調の実験に関しては、当初はコントロール波の入射方向を変える方法を予定していたが、実験では、入射方向は変えず位相を直接変調する方法を採用した。実験結果は、こちらも予想通りの結果となり、当初の計画通り、再生波の周波数と位相を変調することに成功した。
以上より、当初の計画通り概ね順調に研究が進展しているといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの非線形電磁界解析手法を利用することで、真のEIT現象を光領域で実現する方法を 電磁界解析を用いて検証する。メタマテリアルの設計は、現実的な2次の非線形分極をもつ物質を想定して行う。被測定波と制御波を同時に設計したメタマテリアルに入射することで、被測定波に対する透明化帯域が制御波の強度に比例することと、制御波の波長を変化させた際に透明化周波数が変化し、非対称な透過スペクトル(Fano共鳴)が得られることを検証する。その後,制御波を動的に変調することで、最終目標である電磁波の保存/再生の電磁界解析による実証を行う。計算は、時間領域での計算に加え、周波数領域の計算も行い、両者の比較を行いシミュレーションの正確性に関して検討を行う。
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