2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K05076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田口 敦清 大阪大学, 工学研究科, 助教 (70532109)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アルミニウム / インジウム / 紫外プラズモン / 第2高調波発生 / 非線形 / 高NA反射型対物レンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
第二高調波光の測定に用いる顕微鏡対物レンズを開発した。 第2高調波顕微鏡では、波長が基本波と高調波の1オクターブにわたることから、対物レンズは、広波長帯域で低色収差で、かつ、集光角(NA)の大きいことが条件となる。反射型対物レンズは原理的に色収差が発生せず、色収差の観点からはアドバンテージがあるが、現存する反射対物レンズは開口数が最大でも0.5程度と小さいことが課題である。 そこで、シュワルツシルト型反射型対物レンズの構造を再考し、従来からあるシュワルツシルトの中空部分を高純度石英ガラスで埋めた相補型の構造とした、改良シュワルツシルト型反射対物レンズを設計・試作した。さらに、紫外光に対して透明な液体であるグリセリンを液浸媒質として用い、反射型でありながら液浸に対応することで、開口数が0.9の高開口数反射型対物レンズを実現した。透過波長は200 nm-2000 nmと、深紫外第二高調波発生に対する励起光、深紫外光の波長をカバーする。また、透過率も、遮蔽部分を除外して80%以上の高いスループットを実現した。NA0.5の従来の反射型対物レンズと比較してスループットは4倍に向上した。集光結像特性をラマン画像から評価し、光源波長266 nmに対して空間分解能190 nm程度が得られ、回折限界に近い空間結像性を得た。 高開口数反射型対物レンズを実現したことで、これを近接場顕微鏡に搭載し、ナノ吸収分光顕微鏡の実現に向けて大きく進展した。 開発した対物レンズを上市した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
深紫外領域で使える高NAの反射型対物レンズの作製に成功したことで、当初の予想を超える進展を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、計画に従い研究を推進する。
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Causes of Carryover |
当該年度の計画よりも金属材料の使用量が少なくて済んだため。次年度に繰り越して開発研究費に充てる。
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