2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17K05076
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田口 敦清 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (70532109)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アルミニウム / インジウム / 紫外プラズモン / レーザー捕捉 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き、ナノプローブ先端の紫外高調波発生の高効率化およびプローブ走査によるイメージングに取り組んだ。効率化については、従来より知られているナノアンテナ構造に対して、そのサイズパラメーターを最適化するというのが通常の最適化手法であるが、このやり方では、設計者が扱えるパラメータの数に限りがある。そこで、電場分布の目標値から誘電率分布をメタヒューリスティックに逆設計するアプローチを検討し、パラメータ空間に先見的な制限を設けずに構造を探索する手法を構築した。具体的には、励起波長に対してプローブ先端の電場が最大となるような誘電率分布(アルミニウム分布に対応)を見つけるプログラムを実装し、アンテナの大きさや形状の設計を行った。また、計算機によって得られた構造を実際に作製する方法を検討した。これまで用いてきた蒸着法はプローブ先端のアルミニウム構造を設計した構造通りに制御して作製することは難しい。また、リソグラフィは二次元のナノ構造作製に広く用いられるが、3次元的な物体であるプローブ先端に構造を直接形成するのは、工程が複雑でこれも困難が想定される。そこで、二光子重合加工など、構造作製の空間的自由度の高い方法を再検討し、金属材料の構造化への適合性や空間分解能の観点から適用妥当性を検討した。今後、作製を進め、第二高調波発生効率を実験的にも検討していく。また、プローブ走査を行うための原子間力顕微鏡について、細胞など生体試料への応用を視野に、液中測定への対応を進めた。シリコンカンチレバーの液中での励振特性の解析を行い、液中で形状像が得られることを確認した。アルミニウムの構造が純水中で化学的に変化せず、安定であることも確認した。
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