2018 Fiscal Year Research-status Report
Preparation of submicron-sized spherical particles using laser-induced agglomeration of nanoparticles
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17K05078
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
辻 剛志 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (50284568)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 金ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)レーザー誘起凝集過程の定量的解析と制御 本年度は,昨年度後半から始めた,サブミクロン粒子粒径および粒径分布の保護剤濃度依存性の解明に取り組んだ。具体的には,保護剤濃度が高い場合にレーザー照射後の試料に残留するナノ粒子が,これまで考えてきたような,レーザー照射中に沈殿が起きて残留したものではなく,加熱効率が低いことによって保護剤が外れないために残留したものであることを,実験及びシミュレーションによって明らかにした。 (2)白金サブミクロン粒子の作製とレーザー誘起凝集過程の比較 金サブミクロン粒子作製で用いた手法が他の金属種にも適用可能であるか,またレーザー誘起凝集過程の金との違いを,白金を用いて調べた。実験の結果,金と同様にクエン酸ナトリウムを保護剤にしてレーザーアブレーションによって白金ナノ粒子を作製し,これに波長266 nmのレーザー光を照射すれば,白金サブミクロン粒子が得られることを明らかにした。また,白金サブミクロン粒子の生成は,金と同様にレーザー誘起凝集を経て起きることを明らかにした。一方,原料白金ナノ粒子の最大光吸収効率波長が粒径によって金ナノ粒子よりも大きく変化することから,(1)で述べたような,加熱効率の違いの粒径依存性が,レーザー波長によって異なるという興味深い知見が得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
・概要で述べたように,金サブミクロン粒子粒径,および粒径分布の保護剤濃度依存性のメカニズムを明らかにすることが出来た。これは,本研究課題を提案する重要なモチベーションでもあった課題であり,得られた概念は今後の液中レーザー溶融法によるサブミクロン粒子の粒径制御において極めて重要な役割を果たすものである。さらに,この成果はインパクトファクターの高いジャーナルに掲載された。 ・白金サブミクロン粒子は金サブミクロン粒子よりも高い融点を持つことなどから導電材料として注目されている物質であるが,現在化学還元法を用いて作製することが困難である。本研究では,金サブミクロン粒子作製に関する研究から得られた知見を応用し,初めてこれを作製可能にした。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 白金サブミクロン粒子の作製:他の方法で作製困難な物質を,これまでに得られた知見を応用して作製することに意義があると考えられるので,引き続き取り組むことにする。特に,白金ナノ粒子の温度上昇のシミュレーションのように,定量的な手法を取り入れて,粒径のレーザー強度依存性や,レーザー波長依存性を明らかにし,粒径制御の方針を提案する。 (2) 生成量増加:フローシステムを用いた作製方法を構築する。まず,セル中で超音波振動による凝集促進効果,サブミクロン粒子が生成するために必要な最低レーザーパルス数について調べた後,フローセルに流すコロイド溶液の量,流量を制御し,連続的なサブミクロン粒子の作製が可能になる条件を探索する。
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Causes of Carryover |
予定していた研究会が中止になったため,旅費分が余ることになった。
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Research Products
(6 results)